「こども唄い込み」威勢良く 綾里の小正月行事 震災後15年ぶりに復活(別写真あり)
令和8年1月14日付 7面
大船渡市三陸町綾里で12日、地域の子どもたちによる小正月行事「こども唄い込み」が披露された。地域や年代によって途絶と再興を繰り返し、東日本大震災の影響で中断していたが、約15年ぶりに復活。参加した子どもたちが、漁協施設や大規模林野火災の仮設住宅、福祉施設などを回って威勢の良い声を響かせ、火災復興や大漁祈願など、地域に平穏な日々が訪れるように願った。
綾里地区では、小正月の伝統行事として、沿岸部で「大漁唄い込み」、内陸部で「鳥ぼい(鳥追い)」が受け継がれており、地元の小中学生らが地域内の各戸を巡り、五穀豊穣や大漁を祈願してきた。
住民らに話を聞くと「やった記憶がある」「やっていない」と異なる回答があったことから、地域や年代によって中断と復活を繰り返してきたとみられ、震災後は完全に途絶えてしまった。
こうした状況下、住民から昨年、「唄い込みを復活させたい」という声が上がり、関係者らが検討。同年は見送ったものの、令和8年の小正月での披露を目指して参加メンバーを確保し、昨年1月から港地域公民館で練習を始めた。同12月に綾姫ホールで開かれたイベント「あや姫劇場」で一足早くお披露目し、今年も今月上旬に2日間の練習を行って本番に備えた。
同日は、小中学生6人や指導役を担った大人たちが参加。はじめに、綾里漁協定置漁業会館を訪れ、定置網の指揮を執る千田芳孝大謀(67)の前で「大漁唄い込み」と「御祝い」を披露した。
練習を重ねてきた唄い込み特有の節回しに加え、「えーえ、はは、よいどこらさ」といった掛け声を元気に響かせる子どもたちの姿に、千田大謀も手拍子をしながらともにうたった。最後に、村上小夜乃さん(東朋中1年)が「当家お恵比寿、三間余りの大鮪、三億三千三百三十三万本」と唱え、赤い手ぬぐいを投げ、大漁を祈願した。
昨年2月の大規模林野火災で、定置網が焼損する被害を受けた同漁協。昨季は、同業者から借り受けた網で操業し、今年は発注した新しい網で漁を行う予定で、千田大謀は「(子どもたちの唄い込みは)上手だった。今年は大漁に期待できるかも」と笑顔を見せた。
一行はその後、旧綾里中応急仮設住宅や医療法人勝久会が運営する高齢者施設「綾の里」でも唄い込みを披露。村上さんは「地域の皆さんに届くような大きい声を心がけた。唄い込みには綾里らしさを感じる。これからもできれば続けたい」と意気込んでいた。






