医師の仕事もっと身近に 県が医療人材の確保目的に企画 小中学生向けセミナー 大船渡病院では初開催(別写真あり) 

▲ 手術で用いる器具を手に縫合を体験する参加者ら

 県による令和7年度「小中学生向け医師の職業体験セミナー」は12日、大船渡市の県立大船渡病院で開かれた。同院では初の開催となり、気仙3市町や釜石市、大槌町の小学5、6年生と中学生合わせて46人が参加。児童・生徒らは同院の医師による講演、縫合や採血といった職業体験を通じて医師の仕事をより身近に感じるとともに、自身の進路選択の参考としていた。(三浦佳恵)

 

 セミナーは、県の重要課題である医師の人材確保につなげようと、県保健福祉部医療政策室が主催し、同院と県大船渡保健所が共催。県内の県立病院で開催しており、今回の大船渡会場では小学生にも対象を拡大した。
 冒頭、同院の星田徹院長があいさつ。「医師は勉強をして技術を磨き、困っている人を助けるやりがいある仕事。さまざまな実習を用意しているので、体験を楽しんでほしい」と述べた。
 続いて、同院救命救急センターの横沢友樹センター長が講演。「医師という仕事のすばらしさ」と題し、医師の仕事ややりがいなどを解説した。
 この中で横沢センター長は「医師は、命と人生の守り人。病気やけがを治すだけではなく、その人の未来を守っている」と述べ、看護師や薬剤師、技師らと共にチームで治療に当たることから、話す力、コミュニケーション能力を磨く必要性にも言及。同席した保護者らに向けては、奨学金など医師を志す子どもたちを支える制度も紹介した。その後は、同室が県の奨学金制度について説明を行った。
 職業体験では、▽縫合▽採血・静注▽超音波エコー▽電気ショック▽電気メス──の各ブースが設けられ、参加者らが挑戦した。
 このうち、縫合では手術で使うメスや針、糸などの器具を使用。参加者らはメスでブタの皮を切り、その部分を針と糸で縫い合わせた。指導には星田院長らが当たり、「上手、上手」「速くするよりきれいに縫う方が患者さんのためになる」などと子どもたちに呼びかけた。
 このほかのブースでも、児童・生徒らが医師や看護師のアドバイスを受けながら医師の仕事を体験。命を救うためのさまざまな仕事に取り組み、理解を深めていた。
 大船渡中学校2年の菅野千佳さんは「医療職に就きたいと考えており、将来の役に立てばと思い参加した。普段は触れない器具を使うなどしてみて、改めて医師や看護師の仕事ってすごいなと感じた。より医療の仕事に興味が湧いたし、奨学金の話も聞くことができて選択肢が広がった」と話し、充実した表情を見せた。
 同室医師偏在対策の糠森教雄特命課長は「セミナーを機会に医療に関心を持ち、職業選択の一つにしてほしい」と期待を寄せていた。