名古屋との「絆交流」 軌跡発信へ 2月22日に陸前高田でイベント 両市の卒業生ら連携、ステージ企画など
令和8年1月15日付 7面
東日本大震災後続く陸前高田、愛知県名古屋両市の中学生の交流事業「絆交流」でつながった有志らが2月22日(日)、陸前高田市高田町の奇跡の一本松ホールで「絆まつり」を開く。名古屋市で毎年開催されている記念交流イベントの〝陸前高田版〟として初めて企画。絆交流の参加者らが、震災15年に合わせ再録音したテーマソング『未来への翼』の公開やステージ発表、展示などを通じ、友好都市協定を結んだ両市の震災後の歩みや人々の絆、それぞれのまちの魅力を広く発信する。(阿部仁志)
名古屋市は震災後、甚大な被害を受けた陸前高田市の行政全般を「まるごと支援」する取り組みを展開。平成24年に両市教委が絆協定を、26年に両市が友好都市協定を締結し、中学生が相互にまちを訪れる絆交流事業を現在も続けている。
名古屋では、令和4年で協定締結から10年の節目が経過したことを機に、絆交流で陸前高田を訪れたことのある高校生や社会人らが独自のコミュニティーを形成。6年に任意団体「名古屋teamS」を発足し、防災・伝承活動や、「奇跡の一本松」のおがくずを使用した製品企画などを展開している。
一方、両市の交流支援に関わっている陸前高田出身の卒業生もいる。高田第一中出身の松田由希菜さん(22)=早稲田大学4年、埼玉県在住=もその一人で、一昨年の絆交流では、陸前高田を訪れた名古屋の交流団と地元中学生らに付き添い、活動を手伝った。
このとき、松田さんは、絆交流のテーマソングとして歌い継がれている『未来への翼』について、「震災から15年に合わせ、新しいミュージックビデオを作りたい」と発案。「本当にぽろっと言った」というアイデアをきっかけに、楽曲制作に携わったアーティストで、大阪府のshihoさんと、陸前高田市の雪音さん、まっとさん、松本玄太さんらによってリミックス版を作成する流れとなり、その公開の場として同市でのイベント開催の話が持ち上がった。
名古屋teamSもこの取り組みを後押し。名古屋市で毎年、絆協定が締結された3月23日の「絆の日」に開かれている記念交流イベントの〝陸前高田版〟を初開催しようと、松田さんやアーティストらと連携。両市からの後援も取りつけ、現在準備を進めている。
イベント当日は、新しい『未来への翼』の公開をはじめ、陸前高田市の氷上共鳴会や、舞踊の見咲樹会によるステージ発表、両市のPRキャラクターによるグリーティング、ご当地品の販売などを予定。これまでの両市の交流の軌跡や、名古屋teamSの活動を紹介するパネル展示も行う。
名古屋teamSの代表で、実行委員長を務める大曽根壱哉さん(20)=名古屋市=は、中学2年生だった令和元年に陸前高田を訪問。「震災について知らなかった私にとって、すべてが新鮮で衝撃だった。啓発活動を始めたきっかけの場所で開催されるイベントなので、人一倍思いを持っている」と意欲的。「約15年にわたる両市の絆が交わる場。陸前高田の方々へ感謝の気持ちを伝えることができる場にしたい」とする。
shihoさんは「テーマソングは、たくさんの中学生に10年以上も歌い継がれ、私たちも含めみんなにとっての〝未来への翼〟になった。再レコーディングでは、これまで名古屋と陸前高田の絆をつないできてくれた学生たちの声も入れた。これから先も両市のつながりを深める一つのパーツになってほしい」と思いを込める。
松田さんは「中学2年生の時の絆交流で、名古屋の同じ年の人たちが陸前高田や震災のことを知って動いてくれたことがとても印象的だった」と振り返る。
イベントに向けては、「これまでの名古屋と陸前高田のつながりを思い出すきっかけになってほしい。3月11日の前に、まちに少しでも明るい気持ちを届けられたらうれしい」とし、多くの来場を呼びかける。
イベントの詳細は公式ホームページやSNSで公開。問い合わせは、実行委(メールactivistshiho@gmail.com)まで。





