台湾からの来訪増へスクラム 大船渡市と住田町 定住共生ビジョンに基づき 今月も現地旅行会社で「セールスコール」 

▲ 大船渡市、住田町の関係者が台湾でアピール(昨年12月、市提供)

 大船渡市と住田町が締結した定住自立圏共生ビジョンに基づき、本年度も両市町の行政、観光、民間事業所の各関係者が、台湾からの観光客増に向けたPR活動を展開している。昨年12月に続き、今月20(火)、21(水)の両日に台湾の旅行会社を訪れ、両市町を巡る団体ツアー造成などをアピールする。令和5年度から続けている取り組みで、この間、ツアーが実現するなど、成果が出ている。関係者は、これまでの台湾での活動で得た手応えを生かした新規開拓を見据える。(佐藤 壮)

 

今月の旅行会社訪問に向けて情報共有を図る関係者(14日)

 定住自立圏は、一定の要件を満たした市(中心市)と近隣市町村が連携、協力し、必要な生活機能等を確保することで地域における定住の受け皿となるもの。大船渡市と住田町は、同市が生活機能の確保で中心的な役割を担う中心市となり、令和元年に定住自立圏形成協定を結んだ。
 本年度は、11年度までを期間とする第2期大船渡・住田定住自立圏共生ビジョンの初年度にあたる。外国人観光客誘客促進事業は第1期から継続している取り組みの一つで、台湾現地での活動は3年目となる。
 5年度と6年度は台湾の中心都市である台北市での東北旅行促進PRイベント「日本東北遊楽日」(一般社団法人東北観光推進機構主催)に、両市町でブースを出展。同イベントは個人客の来訪が多い中、本年度は旅行会社にツアー造成などをアピールする「セールスコール」に力を入れている。
 本年度は昨年12月に、日本東北遊楽日の一環で開催された東北観光や教育旅行のセミナー・商談会・交流会に参加。台湾の旅行会社や学校の各関係者に対し、観光情報を伝えた。さらに、台湾南部の高雄市に構える旅行会社4事業者を訪ねた。
 今月のセールスコールは、初日に台北市の旅行会社4事業者を訪れるほか、2日目には南西部の台南市に足を運び、同じく4事業者を訪問。前年度以前からつながりがある事業者だけでなく、新たな事業者も訪ねる日程を組んでいる。
 両市町職員に加え、市観光物産協会、大船渡町に店舗がある海の幸ふるまいセンターの各関係者計5人が参加。仙台空港やいわて花巻空港から両市町へのアクセスに加え、観光面の魅力をまとめた動画紹介、具体的なツアー造成に関する相談対応などを予定している。
 出発を前に、14日には市役所で事業を受託している㈱エイチ・アイ・エスの関係者を交えた打ち合わせを行った。日程に加え、来訪につなげるアピールポイントなども協議した。
 この中では、三陸沿岸部の他市町を巡るツアーとの差別化が話題に。旅行会社ごとに顧客層の特徴が異なる中で、ニーズに合った提案の重要性も共有したほか、相談や問い合わせに対応する担当者の一元化についても確認した。
 このほか、「台湾の学校は、姉妹校提携に積極的。実現には3年程度の取り組みが必要だが、若年層の獲得につながる」「旅行者だけでなく水産分野の冷蔵施設を見てもらうなど、飲食など特定の業界の研修を迎え入れるのもいいのでは」など、今後に向けたヒントも出し合った。
 事業に参加する、ふるまいセンター営業担当の山口優希さん(50)は「どこかの観光地をアピールするよりも、人間的な魅力を伝えることが大事ではないか。これまで訪問していない台南でのセールスなど、挑戦をしながらさまざまな視点での観光を考えることができれば」と話す。
 5年度以降、実際に訪れた旅行会社が両市町を巡るツアーを企画するなど成果が出ている。昨年10月には、台湾の旅行会社を対象とした「ファムツアー」が両市町で行われた。
 仙台空港やいわて花巻空港では、台湾等のアジア諸地域から訪れる旅行者が増加傾向にある。4泊5日程度の滞在が多い中、両市町では気仙に1日程度滞在するツアーなどの呼び込みに力を入れる。3月には、一連の取り組みに関する報告会を計画している。