「けせん第九」力強く 8回目の演奏会 歌う会と仙台フィル共演
令和8年1月20日付 3面
第8回「けせん第九演奏会」(けせん第九を歌う会、日本交響楽振興財団主催)は18日、大船渡市盛町のリアスホールで開かれた。気仙地区をはじめ県内外から集まった約160人の合唱団員らが、仙台フィルハーモニー管弦楽団の演奏のもと、『歓喜の歌』を力強くホールに響き渡らせ、聴衆の感動を呼んだ。
この演奏会は、平成20年のリアスホール開館を祝おうと、翌21年に市民らの合唱団と仙台フィルが共演し、初めて開かれた。東日本大震災での休止もはさみながら回を重ね、「歓喜の歌」を響かせることで復興へと歩む地域に勇気と希望を届けてきた。
今回は県芸術文化協会、気仙3市町、各市町芸文協などが後援し、競輪の補助を受けて開催。約750人の聴衆が訪れた。
合唱団は第九を歌う会のメンバーをはじめ、県内外の有志が加わり、小学生から大人まで幅広い年代の約160人による混声四部合唱を編成。昨年秋から練習を重ねてきた。
指揮者には岩村力さん(兵庫芸術文化センター管弦楽団レジデント・コンダクター)を迎え、ソリストは大船渡市出身の土井尻明子さん(ソプラノ)、陸前高田市出身の菅野祥子さん(アルト)、盛岡市を拠点とする西野真史さん(テノール)と小原一穂さん(バリトン)。合唱団と手を携えて「けせん第九」を築いてきたメンバーがそろい踏みした。
舞台では、はじめに仙台フィルが震災犠牲者への献奏をささげ、岩村さんの指揮でベートーべンの『歌劇〈フィデリオ〉序曲 作品72』を奏でた。
合唱団はひな壇に並び、『交響曲第9番〈合唱付〉』に入ると第四楽章で一斉に立ち上がってオーケストラ演奏とともに迫力ある歌声を響かせた。
演奏終了後は客席から盛大な拍手とともに「ブラボー」の声も飛び、出演者全員が降壇するまでホールは喝采に包まれた。
終幕後、出演者らはお茶で乾杯してねぎらい合った。
小学3年生まで陸前高田市小友町で暮らし、現在は京都府京都市在住の堤颯一さん(京都インターナショナルユニバーシティーアカデミー高等部)は、2度目の参加。学校では仲間と音楽部を立ち上げて活動しているといい、この日はバスパートを担当し、「皆さんと歌声を合わせる中で、前回とは合唱団の雰囲気や自分の気持ちが変わったことを実感した。また『けせん第九』の舞台に立ちたい」と話していた。






