引き上げ救助の技術向上へ 気仙と一関の3消防本部が初の訓練会(別写真あり)

▲ 低地に転落した要救助者を引き上げる訓練を行う消防本部の隊員

 気仙と一関市の3消防本部は20日、大船渡市盛町の市防災センターで「消防救助技術研究訓練会」を開いた。橋の下などの低地に転落した要救助者をロープで引き上げる訓練などを通して、各消防本部の隊員らがより安全な救助を目指して意見を交わし合い、技術向上を図る場とした。(齊藤 拓)

 

 同日の訓練会は、災害が多様化して救助現場も複雑化していく中で、安全かつ確実に救助を行う能力を養うとともに相互の連携強化も図ろうと、初めて開催。大船渡地区消防組合、陸前高田市、一関市の3消防本部から、約40人の消防隊員が参加した。
 前半は、橋や崖の下に転落した人の救助を想定し、地上約20㍍の訓練棟の上から訓練を実施。地上にある要救助者に見立てた等身大の人形を引き上げ、救助するまでを実践した。
 はじめに、ロープを使用して地上へ降りた隊員が、要救助者の意識や外傷を確認。救助方法を要救助者に説明しながら担架に乗せるなど、実際の現場と同様の手順を踏んだ。
 冷たい風が吹きつける中、訓練棟の上から要救助者を引き上げる隊員らは、揺れたりロープが絡んだりしないよう確認を重ねながら作業。空中で担架が傾かないよう、声を掛け合って慎重に救助を進めていった。
 各本部が順番に訓練に臨み、参加者らは他の本部の救助方法を見学したり、ロープの設置などについて意見を交換し、確実な救助を目指していた。
 大船渡地区消防組合消防本部の佐々木剛消防課長は「機材や救助方法は各消防本部で異なるので、参考にしながら安全な活動を行っていきたい。今回は県南の3本部で開催したが、来年は参加範囲をより広げられたら」と、今後への意欲を高めた。
 後半は訓練棟にロープを張り、川の中州などに取り残された人の救助を想定した訓練を実施。その後は、各本部ごとに質疑応答も行われた。
 一関市消防本部から参加した熊谷正消防司令補は「救助する場所にも地域ごとの特性があり、一関では雪の中で要救助者を引き上げるケースも存在する。きょうの沿岸は風が強かったので、訓練の成果を持ち帰って現場でどう生かせるか考えたい」と話した。