震災の事実、教訓を自国へ 東南アジア青年の船 国内外の参加者らが視察(別写真あり)
令和8年1月21日付 2面
令和7年度内閣府青年国際交流事業「東南アジア青年の船」に参加する国内外の青年らは19日、陸前高田市を訪れた。一行は、高田松原津波復興祈念公園などを視察し、東日本大震災を経験した市内在住の外国人と意見を交換。参加者らは震災の事実、教訓に理解を深め、この学びを自国で役立てていくと誓った。
この事業は、国際化が進展する社会で指導性を発揮できるリーダーを育成しようと、日本政府とASEAN(東南アジア諸国連合)各国政府が共同で昭和49年にスタート。日本とASEAN加盟国の青年(18~30歳)が参加し、船内や寄港国で活動を行う。
令和7年度は、日本の21人、ミャンマーを除くASEAN10カ国から160人の計181人が参加し、今月15日にスタート。2月17日(火)までの日程で、日本、シンガポール、タイを巡る。このうち、今月17~20日は、岩手など5県に分かれての地方プログラムに臨んだ。
岩手には、参加者のうち36人が訪問。地元の県青年国際交流機構(岩手IYEO、吉田ゆう子会長)が受け入れ先となり、盛岡市内での歓迎会や県内各地でのホームステイなどを経て、19日午後に陸前高田入りした。
参加者らは、解説員の案内で東日本大震災津波伝承館を見学後、同公園内の「海を望む場」に移動。雪が降る中で代表のナショナル・リーダー2人が献花を行い、震災犠牲者らに黙とうをささげた。
続いて、一行は市コミュニティホールに赴き、吉田会長から同ホールがシンガポールからの支援を受けて建設されたことなどの説明を受けた。また、市内で震災を経験したフィリピン出身の菅原マリフェさん(米崎町)、チリ出身の村上オルテンシアさん(横田町)を招き、2人から発災当時の様子などを聞き、意見を交わした。
若者たちは、菅原さん、村上さんの経験談から、自然災害発生時における避難行動の重要性、避難時や被災地での外国人コミュニティーの再構築で浮かび上がった課題などを学び、積極的に質問。国内外からの支援によって、復旧・復興が進められたことにも理解を深めた。
シンガポール出身のアーサー・ソルさん(28)は、「みんなが力を合わせて震災を乗り越え、前向きで、防災や減災への意識が高い印象を受けたし、シンガポールの支援で施設が建てられたと初めて知った。国が困難な状況になったときには前向きに取り組むとともに、将来を見越して備えることも参考にしたい」と語った。
タイ出身のプリム・ケウプラタブさん(29)は「震災での経験や多くの支援があったこと、当時の課題をどのように改善していくかを学べた。大きな災害時でもルールに従い、まわりの人を支えてきた日本人の姿を、タイで伝えたい」と充実した表情を見せていた。
一行は20日に盛岡市の県庁を表敬訪問し、県内でのプログラムを終了。21日から4日間の東京プログラムを経て、船での活動に移る。





