数量、金額ともに増加 気仙沿岸の今季アワビ水揚げ実績 中国の輸入停止で単価は下落
令和8年1月31日付 1面
県漁業協同組合連合会は、本県の今季アワビ実績をまとめた。気仙沿岸の漁獲実績(1号品)は、令和7年度第1期(昨年11月)と第2期(同12月)を合わせ、前年度比48・9%増の12・54㌧。金額も同41・5%増の6862万円で、いずれも増加に転じた一方、10㌔当たりの平均単価は同5%減の5万4741円と下落が続く。荒れた海況で出漁が限られる浜もあった中、中国の日本産水産物の輸入停止に伴う単価安を数量でカバーする形となった。(菅野弘大)
各漁協では各月に1、2回程度の開口日を設定。漁期の11、12月とも漁が行われたのは、大船渡市、越喜来、吉浜、広田湾の各漁協管内で、綾里漁協は資源管理の観点から12月のみとした。
気仙地区の水揚げ数量を漁協別にみると、広田湾が2・84㌧、大船渡市が2・75㌧、綾里が2・69㌧、越喜来が1・49㌧、吉浜が2・76㌧で、合計は12・54㌧。前年度との比較では、累計で4・12㌧の増加となった。金額は、4850万円だった前年度から約2000万円増えた。
県産アワビは、大半が中国で高級食材として扱われる干鮑に加工され、香港へと輸出されるが、福島第一原発の処理水海洋放出を受け、中国政府は令和5年8月以降、日本産水産物の輸入を停止。荷動きが止まり、入札価格の下落が続いている。昨年6月には、条件付きで一部の輸入再開が発表されたが、禁輸措置の影響は色濃く残り、同10月の第1期アワビ事前入札会における10㌔当たりの平均価格は5万7822円と、前年の5万8660円からわずかに下落。11月の第2期は4万9515円と、4万円台まで下がった。
これからの需要回復が期待されていた矢先の同11月、中国政府は政治的、技術的な要因から、再び事実上の輸入停止措置を発動。解禁の見通しは立たず、現場では「(中国の)やり方は納得がいかない」「価格に期待できない」と不満や落胆の声が広がった。
県漁連によると、今季の漁況は、11月は好調なペースで漁獲が続き、月末時点で前年度の最終実績を上回る水揚げとなった浜も見られた。しかし、12月は海が荒れ、波が高く、予定していた出漁回数に達しない地域もあったという。それでも、県全体の水揚げ量は71・4㌧と、昨季の58・5㌧から持ち直し、金額も4億3600万円と、約5900万円増加した。
県漁連の担当者は「昨季は11月が海況の関係で思うように開口できず、12月に取れた。今季はその逆。単価は依然として下がっているものの、数量でカバーできた。近年よりは水温が安定しているが、海が荒れると漁は難しい。黒潮大蛇行の終息が良い方向に作用し、期間を通じて落ち着いて漁ができる海況になれば」と期待を込める。
気仙地区のアワビ水揚げ数量は、平成25年度が77・2㌧(対震災前3カ年平均比12%増)、26年度が48・6㌧(同29%減)、27年度が47・2㌧(同31%減)、28年度が30・4㌧(同56%減)、29年度が18・2㌧(同74%減)と推移。30年度は数量が11・5㌧(前年度比37%減)、令和元年度は8・1㌧(同29%減)で、2年度は7・3㌧(同10%減)と減少した。3年度は14・41㌧、4年度は18・81㌧と徐々に増加していたが、取り巻く環境の変化によって5年度は14・90㌧、6年度は8・42㌧まで落ち込んだ。





