乾燥状態続き発令多く 林野火災注意報・警報 運用開始から1カ月 気仙
令和8年2月3日付 1面
昨年2月の大船渡市大規模林野火災を踏まえて創設された林野火災注意報・警報の運用開始から、1カ月が経過した。同市内の先月の発令日数は、注意報が6日、警報が5日(いずれも切り替え含む)で、23日以降はいずれかが該当する状況。先月後半から過去30日間の合計降水量が少なく地中の乾燥が懸念されるほか、近年の気象状況をみると、2月も一定日数の発令が予想される。26日(木)で大規模林野火災発生から1年を迎える中、気仙の消防関係機関では引き続き火災予防に力を入れる。(佐藤 壮)
注意報・警報創設後における大船渡市内の発令状況と、注意報・警報の発令基準は別掲の通り。先月23日以降は、切り替えをしながら注意報か警報のいずれかが出ており、今月に入っても続いている。
1月前半は「前3日間の合計降水量が1㍉以下」で、乾燥注意報や強風注意報が出たことで林野火災の注意報・警報の発令となる日が多かった。後半は、乾燥注意報にかかわらず「前30日間の合計降水量が30㍉以下」に該当し、継続的に林野火災注意報が出やすい状況だ。
気象庁の観測データによると、大船渡では昨年12月14日と25日に10㍉超の降水量が観測されたが、今年1月は月全体で9・5㍉にとどまった。長期的な少雨で、地面や落ち葉の乾燥進行が懸念される。
昨年8月に「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」がまとめた報告書では、水が少ない状態が30日間程度継続すると、スギ林をはじめ林床可燃物の深い部分の乾燥に影響を及ぼす考察に言及。直近20年間で発生した国内の大規模林野火災29事例のうち、11事例で過去30日間の合計降水量が30㍉以下となっている。
昨年2月の同市も、中旬から乾燥した状態が続き、3月5日までまとまった降雨がなかった。同4日までの過去30日間の降水量は2・5㍉ (平年比5%)と記録的に少なく、2月の月降水量は観測史上最少だった。
注意報・警報は、大船渡市だけでなく、陸前高田市や住田町をはじめ全国各自治体にも出される。警報発令では、大船渡市は海上の強風注意報も対象とするが、陸前高田市では陸上のみとしており、発令のタイミングにやや差がある。また、大船渡市の該当日でも、住田町では降雪に伴って過去3日間の合計降水量が1㍉を上回り、発令が見送られた日もある。
発令されると、気仙3市町では防災行政無線やメールで周知。大船渡地区消防組合管内では、大船渡消防署で専用の懸垂幕を掲示したほか、消防車両が管内を回り、注意を促す。
運用対象期間は1~5月。注意報時は、火の使用制限に従うよう求める。具体的には▽山林や原野で火入れをしない▽花火や火工品を使用しない▽屋外で火遊び、たき火をしない▽山林や原野で喫煙をしない▽たばこの吸い殻を含む残火や灰、火の粉を始末する──などを呼びかける。
注意報時における火の使用制限は努力義務だが、警報時は消防法に基づき、30万円以下の罰金または勾留の罰則が発生する。
令和4~6年の発令基準に該当する市内の平均日数は、注意報が52日で、警報が15日だった。2月は注意報が12日、警報が3日となっている。
先月下旬以降、市内では過去30日間の合計降水量が10㍉を切る日が多く、今月もまとまった降雨がなければ、注意報・警報の該当要件がそろいやすい。大船渡地区消防組合消防本部では「日頃から屋外での火の取り扱いは十分注意してほしい」と呼びかける。






