高田・海洋システムと大船渡東・食物文化 最終案も「募集停止」変わらず 第3期県立高校再編計画 時期なども従前通りに 気仙
令和8年2月5日付 1面
県教育委員会は4日、「第3期県立高等学校再編計画」の最終案を公表した。このうち、気仙では高田・海洋システム科(定員40人)を令和10年度に、大船渡東・食物文化科(同)を12年度に募集停止とする従前の方向性を変えず、食物文化の家庭の学びを維持する大船渡東・農芸科学科の学科名について、教育内容に合わせて変更を検討する考えを新たに明記した。気仙では依然として両科の存続を求める声が多い中、今後の対応が注目される。(三浦佳恵)

農芸科学の名称変更検討も
第3期再編計画の期間は、8年度から17年度までの10年間。県教委は昨年8月に当初案、11月に修正案を公表し、地域代表者らを対象とした地域検討会議、住民向けの意見交換会、パブリック・コメント等を踏まえ、検討を重ねてきた。
最終案によると、一部で文言の修正、追記があったものの、内容のほとんどは修正案と変わりなかった。
気仙では当初案で、入学者数の減少、水産科や調理師免許を持つ家庭科の教員確保の面などから、10年度に高田・海洋システムと大船渡東・食物文化を募集停止とする方向性を提示。海洋システムと食物文化の調理師養成施設機能は宮古水産に集約し、同科の家庭の学びは大船渡東・農芸科学で維持するとした。
修正案では、食物文化の募集停止時期を2年延ばし、12年度に変更。集約先となる宮古水産・宮古商工の校舎一体整備の時期や、農芸科学で家庭の学びを維持するために教育課程の検討時間を確保するのが理由で、このほかの再編内容は当初案のままとなった。
当初案の公表以降、気仙では存続を求める活動が展開された。
気仙3市町と釜石市、大槌町からなる沿岸南部地区の5市町は昨年10月、県教委に両科の存続などを求める要望書を提出。大船渡、陸前高田の両市議会も県教委などに意見書を出し、両科の存続を要望した。
大船渡市内の各種団体や市民有志からなる「大船渡東高校・食物文化科をみんなで護る会」(代表・米谷春夫大船渡商工会議所会頭)は、同科の存続を求める署名約1万5000筆を集め、11月に県知事と県教育長に届けた。
5市町は今月2日、改めて県教育長宛の要望書を提出。10月の要望内容に一部を追記し、再度地域の意向を伝えたもので、同市の渕上清市長、陸前高田市の佐々木拓市長らが、県沿岸広域振興局の沖野智章副局長に手渡した。
しかし、官民を挙げて求めてきた両科の存続が最終案でかなうことはなかった。
両科を含む再編内容を修正案から変更しなかった理由について、県教委事務局学校教育室の西川信明高校改革課長は「中学校卒業者数が5~10年で75%程度、地域によっては60%になるところもあり、特に専門高校の集約を進める」と説明。また、「集約後における大船渡東・農芸科学の教育課程、学科名称の見直しは、学校運営協議会などを通じて地域と検討を進めていきたい」と話した。
最終案の公表を受け、渕上市長は「当市とすれば、今後も存続に向けて見直しを求めていく。そうした中では、この先の高校教育のあるべき姿、望まれる姿を協議し、加味しながら、この地域の高校教育に必要とされるものを訴えていきたい」との意向を示した。
佐々木市長は高校の魅力創出の必要性も強調しながら、「地域にとって大切な高校。難しいかもしれないが、われわれのニーズを県教委や知事部局に伝え、意見交換もしながらより緊密に連携し、なんとか存続する形に持っていきたい」と力を込めた。
最終案は、13日(金)開会予定の県議会2月定例会を経て、3月下旬から4月上旬の策定を目指す。






