2026衆院選岩手2区/与野党一騎打ち最終盤へ 鈴木氏…高い知名度で優勢保つ 佐々木氏…浸透と追い上げに懸命

 第51回衆議院議員総選挙は、8日(日)に投開票が行われる。気仙3市町を含む岩手2区には、届け出順に国民民主党の新人・佐々木真琴氏(29)と自民党の前職・鈴木俊一氏(72)が立候補し、与野党の一騎打ちが繰り広げられている。11期の実績に加え、閣僚や党の要職を歴任して知名度の高さを誇る鈴木氏が序盤からの優勢を保ち、国政初挑戦で気仙では新顔の佐々木氏が浸透を図りながら懸命に追う展開で、選挙戦は最終盤を迎えた。(2026衆院選取材班)

 

佐々木真琴氏 鈴木俊一氏

 小選挙区の区割り改定で、平成29年の選挙から気仙地区も地盤となった鈴木氏。令和6年10月の前回選では党派を超えて支持を集め、選挙区内の23市町村すべてで野党統一候補の得票を上回り、約4万5000票差をつけて通算11選を飾った。直近では財務相、党総務会長、党幹事長と要職を担い、実績と知名度の高さを背景に支持を固め、高市早苗首相の高支持率という追い風も受け、序盤から優勢を保っている。
 気仙では、党支部や平成29年の選挙後に結成された地区後援会が中心となって活動。農林水産業や建設業をはじめ、各産業に幅広く浸透し、非自民層も取り込みながら支持を広げてきた。昨年11月、会長として後援会を束ねてきた鎌田和昭氏が亡くなり、急ピッチで体制を整えた。
 前回選までは比例の議席確保を目指す公明と連携を密にしてきたが、連立解消によって状況は一変。地区後援会は「公明票減を想定し、これまで以上に若年層や無党派層の取り込みも図る」とする。昨年の参院選で大きく議席を伸ばした参政支持層の動向にも注視。同党は2区に候補者を立てておらず、保守票の行方もにらみながら「前回選並みの得票率を目指す」と気を吐く。
 一方、佐々木氏は宮古市議から転身し、国民民主公認候補として国政選挙に初挑戦。手取りを増やす経済対策やジェンダー平等の実現などを訴え、広い選挙区を駆け巡っている。
 同党が国政選挙で県内に候補を擁立するのは今回が初めて。昨年の参院選では比例で党として5万票以上を獲得しており、労働団

体の連合岩手をはじめ、県民社協会や岩手友愛会の推薦を受け、一層の上積みに努める。気仙では党県連副代表の熊谷昭浩大船渡市議や連合気仙などが活動を支え、佐々木氏の政治姿勢に賛同して応援に回る陸前高田市議も。
 佐々木氏の市議時代やそれ以前の活動ステージは宮古が中心で、気仙も含めた選挙区内での支持基盤構築が課題となっている。
 佐々木氏自身はSNSも駆使しながら、特定の支持を持たない無党派層や若年層への浸透を図っており、支持者は「短期決戦で難しい面はある。高市政権のあり方を問うことよりも、候補の政治姿勢やSNSでの訴えが、若い層をはじめとした有権者にどう響くかが得票の鍵になるのでは」とみる。選挙期間中は玉木雄一郎代表や古川元久代表代行、榛葉賀津也幹事長が選挙区または盛岡市に入って後押ししている。
 岩手2区は、前回選でも与野党一騎打ちが繰り広げられた。今回は公示前、連立与党から公明が離れ、自民は新たに日本維新の会とタッグを組んだ。
 対する野党側は、「非自民」の立場で昨今の国政選挙で統一候補を立ててきたが、今回は野党候補をまとまって応援する動きは見られず、一枚岩とはなっていない。

 立憲民主は、公明と中道改革連合を結成。岩手2区は候補擁立を見送っており、県連は「中道政治の門戸を閉ざさない、高市政権と自民党政治を打倒するという観点を踏まえ、小選挙区での活動や投票に当たるようにお願いする」という姿勢。

 気仙の関係者は「流れ上やむを得ない」と擁立見送りを受け止めつつ、佐々木氏を「非自民」の候補として推す動きの鈍さも捉え、「厳しい戦いになるだろう」と冷静に見つめる。
 公明は、過去の衆院選で「小選挙区は鈴木、比例は公明」を訴えてきたが、今回は「比例一本、中道改革連合」というスタンス。
 気仙の支持者からは「自民が『政治とカネ』の問題を抱えてきた中、複雑な思いで擁護してきた経緯もある。今回はすっきりと中道の支援を呼びかけることができる」という声も聞かれる。
 共産も2区には候補者を擁立しておらず、県委員会は「自主投票」の方針を示す。気仙の関係者は「比例における党の支持拡大に全力を注ぐ」とし、小選挙区については静観する構えだ。
 参政は2区のみ候補者擁立を見送っており、比例を重視。気仙の党関係者は「昨年参院選の獲得票(3市町計3083票)を上回るように伸ばしていきたい」と見据える。
 県選管によると、公示の1月27日現在における2区の選挙人名簿登録者数(在外含む)は、34万744人(男16万4113人、女17万6631人)。このうち、大船渡市は2万7610人(男1万3116人、女1万4494人)、陸前高田市は1万4914人(男7215人、女7699人)、住田町は4042人(男1983人、女2059人)。大きな変化を経て突入した真冬の短期決戦。有権者の判断が注目される。