オオヤマネコの顎破片を発見 市教委の発掘調査で 縄文中期の遺物、県内4例目 きょうから「生涯学習のつどい」で展示

▲ 生涯学習のつどいで一般公開するオオヤマネコの上顎の一部

 縄文期に国内で生息していたオオヤマネコの上顎の一部が、陸前高田市内の貝塚で見つかり、7、8(日)の両日、高田町の奇跡の一本松ホールで開かれる生涯学習のつどい(市教委主催)で初公開される。縄文時代中期のものとみられる。県内では4例目の出土で、すべて市内からしか見つかっていない。関係者は「発掘調査の成果をぜひ見に来てほしい」と呼びかける。(高橋 信)


 市立博物館(菅野義則館長)によると、オオヤマネコの遺物は日本各地の縄文時代草創期から晩期までの遺跡から発掘されている。鋭い犬歯に穴を開けたアクセサリーなども見つかっており、縄文人の狩猟対象動物であったことが明らかになっている。

 今回出土したのは右上顎の骨の破片で、大きさは5㌢ほど。市教委が令和6年度から米崎町の堂の前貝塚で実施している発掘調査で見つかり、県外の研究者に照会して正式に判明。同じ地層から発掘された土器の模様から縄文時代中期末の遺物であることが分かった。

 このほか、同貝塚では、縄文時代中期末から後期初めの限られた期間に、仙台湾周辺から気仙までの地域でしか出土しない貴重な釣り針、もりの一部なども見つかっている。7、8日のつどいでは、それら出土品の一部も展示する。

堂の前貝塚で掘り起こされた破片(右丸、市立博物館提供)

 気仙地域は日本を代表する貝塚群があり、出土品の骨角器は東京国立博物館や国立科学博物館にも展示され、海外ではメトロポリタン美術館にも収蔵されている。動物の骨で作る釣り針やもりなどは、豊かな資源を誇る三陸水産業のルーツであり、陸前高田市立博物館には東日本大震災後の文化財レスキューで救出、安定化処理を終えたさまざまな骨角器が常設展示されている。
 同館の熊谷賢主任学芸員は「陸前高田にオオヤマネコがいたということを裏付けるものが見つかり、非常に興味深かった。骨角器を含め、貴重な出土品をぜひ見てほしい」と話す。
 生涯学習のつどいの展示の部は、両日とも午前9時~午後4時。生涯学習、図書館、博物館、文化財事業のパネルなどを展示する。
 講座の部は、7日に初心者向けのスマートフォン教室、デザインツール「Canva(キャンバ)」の活用講座が行われ、8日は午後2時から放送大学講演会が実施される。