自治会運営 支援求める 県や市町に要望活動 気仙含む県内災害公営住宅
令和8年2月12日付 1面
気仙両市を含む県内の災害公営住宅の自治会が、地域コミュニティーを専門家がサポートする「伴走支援制度」の創設を求め、県や市町への要望活動を展開している。第2期復興・創生期間(令和3~7年度)終了に伴い、自治会運営を支えてきた国からの交付金事業が一区切りを迎え、関係者は8年度以降の活動低下に危機感を募らせている。一部自治体は独自の予算措置を検討しており、今後の動向が注視される。(高橋 信)
陸前高田市内の災害公営住宅2団地の役員5人が6日、同市役所を訪れ、佐々木拓市長に要望書を提出した。
同市では昨年11月の市政懇談会で、災害公営住宅の住民が来年度以降の自治会支援を佐々木市長に直談判。市長は「市の事業として続ける方向でいきたい」と回答し、翌12月の市議会定例会の一般質問で、市内事業者による伴走支援を実施する方針を示した。
要望書提出後の懇談では、今泉団地(気仙町)自治会女性部長の佐々木あや子さん(70)が「市長に分かってもらい、うれしかった」と感謝したうえ、これまでNPO法人いわて連携復興センター(北上市)から運営支援を受けてきた現状を説明。「今までの支援者との信頼関係がある。将来的にはもちろん自立を考えているが、今、支援者が変われば途方に暮れる」と訴えた。
栃ケ沢アパート(高田町)自治会の山谷和弘総務部長(51)も同調し、「これまでの支援者には自治会立ち上げの時から入ってもらっている。月1回だったのが2カ月に1回に減ってもいいので、同じ支援者であってほしい」と求めた。
市まちづくり推進課の馬場勝基課長は「市内事業者も自治会支援のノウハウを持っている。災害公営住宅以外にもたくさんの自治会があり、将来的には伴走支援を市内全域に波及させていくことも考えている」と答えた。
市長は「皆さんの気持ちは十分に分かった。どんな回答ができるか今のところ分からないが、まずは庁内でしっかり検討したい」と述べた。
震災後、自宅再建が困難な被災者向けに各地に整備された災害公営住宅。入居者の高齢化、若い世代の退去などを背景に、運営に課題を抱える自治会が増えている中、県によるコミュニティー形成支援事業などを通じ、外部支援者が運営を下支えしてきた。第2期復興・創生期間後、原資となる国からの財政支援終了が見込まれ、団地のコミュニティー機能のさらなる低下が懸念される。
1月には、大船渡、陸前高田両市を含む4市町の災害公営住宅9自治会が、県に要望書を提出。今後、大船渡市にも要望する予定となっている。





