企業・大学との連携意欲 市議会定例会開会 佐々木市長が施政方針演述
令和8年2月20日付 1面
陸前高田市議会定例会は19日に開会し、佐々木拓市長が施政方針演述を行った。東日本大震災からの真の復興、将来の発展に向け、「新たな取り組みを始める」とし、産業創出を見据えた企業・大学との連携、教育と医療の充実、子育て支援策強化への意欲を示した。市当局は新年度当初予算など議案21件を提出し、同日は4件を承認、可決した。(高橋 信)
佐々木市長は冒頭、来月11日で震災発生から15年の節目を迎えることを踏まえ、「大切な人を亡くした方々の思いは、長い年月がたとうとも変わることがない。一方でインフラや施設の整備は終了し、国の第2期復興・創生期間が間もなく終了する」と言及。国内で災害が頻発し、激甚化している状況に触れ、「他の被災地に復興や防災面を中心に可能な支援を行うとともに、真に復興したまちとなり、他の被災地に希望を届けることが大切」と語った。
地方で深刻化する人口減、少子高齢化について、「友好都市のクレセントシティ市は人口や人口密度が本市より少ないが、将来を悲観的に考えている人に会ったことはあるだろうか」と疑問を提起。「地方が厳しいといわれる中、将来の発展に向けた新たな取り組みを始める。中心となる舞台は『海』だ」とし、水産大手㈱ニッスイのグループ社が市内でサーモン海面養殖に乗り出した新展開などに触れながら、「三陸沿岸地域で新たな産業を創出するため、日本トップの企業、大学などと連携していく」と強調した。
将来を見据えた際の重要な課題に「教育と医療」を挙げ、高田高への国際関係の学科新設や、気仙地区にある高校への医学部進学コース設置を目指した取り組みに力を入れる考えを示した。
自身の選挙公約「大学誘致」に関しては、「大切なことは、これから本市で活動する大学生、教職員を市を挙げて歓迎するような雰囲気をつくっていくこと」と見解を述べた。同市への復興支援を展開した企業・団体などに感謝の気持ちを伝える式典や、昨年実施を見送った市制施行70周年を祝う式典を今年開催する方針も掲げた。
市長は令和8年度の予算編成の概要も説明。新事業として最初に子育て支援策を取り上げ、「保育所などを利用せずに在宅で育児をしている保護者に月額2万円を県と連動しながら支給する。市内保育所などに就職した保育士の奨学金返済を支援する制度も新設する」と紹介したほか、「児童数や保育士の確保状況に注視しながら、9年度からの保育料完全無償化に向けて検討する」と述べた。
続いて、山田市雄教育長が教育行政方針演述を行った。8年度の基本方針と施策の大要を説明し、安全・安心な教育環境の整備に関して児童数の減少に触れ、「学校、保護者、地域と一緒に存続や統合も含めてこれからの(小中学校の)在り方について検討する」と述べた。今後の教育行政に関し、「地域や学校の特性を生かした学校教育を推進するとともに、市民が創造的に学び続けることができる生涯学習の構築を行う」と意欲を示した。
この日承認、可決したのは、7年度一般会計補正予算の専決処分と市道路線の認定、陸前高田斎苑火葬炉や市道歩道整備工事の変更請負契約の4件。
残る執行前提案1件、補正予算案3件、条例案7件、新年度予算案6件の計17件は、予算等特別委(議長を除く全議員で構成)に審査を付託した。





