放任果樹伐採に補助金 昨秋のクマ出没増受け 市が制度新設 最大10万円
令和8年2月21日付 7面
陸前高田市は、ツキノワグマを引き寄せる放任果樹の伐採経費を支援する補助制度を新設した。補助額は最大10万円で、交付は年1回限り。市内では昨秋、クマの目撃情報が急増し、市民から誘引する放任果樹を減らすよう対策を求める声が上がっていた。昨年12月以降、市に寄せられるクマの目撃情報は落ち着いたが、春から再び人の生活圏に出没する可能性があり、市担当者は注意を呼びかけている。(高橋 信)
対象は放任果樹の所有者で、伐採を市内業者に委託するのが条件。果樹は家屋のそばなど人の生活圏にある柿、栗、クルミをはじめとするクマを誘引するものと定めている。
補助率は対象経費の2分の1で、金額は伐採本数にかかわらず10万円を上限とする。支援を受けられる経費には伐採木の運搬、処分費も含む。
手続きの流れは、①申請者が伐採業者から見積書を取得②市に補助金交付申請③市から交付決定の通知を受けたあとに、業者に伐採作業を依頼④伐採完了後、申請者が市に事業完了届などを提出⑤市が伐採確認後、補助金交付──。
伐採前の申請が必要で、業者に依頼せず、個人で伐採した場合は補助対象外。営利目的で植えられた果樹の伐採時には制度を利用できない。
本年度における申請は、3月中旬まで。市は令和8年度も同じ支援を継続実施する方針で、開会中の市議会定例会に関連予算を盛り込んだ同年度一般会計当初予算案を提出している。
市内における本年度のクマ目撃情報は、20日現在59件で、前年同期と比べて2・2倍に増えた。9~11月が42件と集中し、11月初旬には竹駒町の滝の里町内会館そばで、果樹に引き寄せられたとみられるクマがたびたび目撃された。竹駒地区で同月開かれた市政懇談会で、市民から「放置されている柿の木を切ることはできないものか」との意見が聞かれた。
市は同月、市街地に出没したクマへの発砲が可能となる「緊急銃猟」制度の対応訓練を同会館そばで実施。8年度は鳥獣被害対策実施隊への通常捕獲時の報償費について、現行の1万5000円から増額する方向で検討している。
市農林水産部の細谷勇次部長は「市民の安全を守るためにもクマを寄せ付けない環境の整備が求められ、創設した制度を有効活用してほしい」と呼びかける。
問い合わせは、市農林課林政係(℡54・2111内線474)へ。





