大規模林野火災の森林再生・復興へ── 「いわて・大船渡モデル」を 市議会定例会で渕上市長が施政方針演述
令和8年2月21日付 1面
大船渡市議会定例会は20日に開会し、渕上清市長の施政方針演述が行われた。令和8年度も大規模林野火災被害からの復旧・復興を最優先施策として取り組む方針を強調。森林分野に関しては、再生・復興を見据え「取り組みを『いわて・大船渡モデル』として、全国から参考とされるようなものにしたい」と力を込めた。(佐藤 壮)
市長の施政方針演述は、50分余りにわたって行われた。冒頭、昨年2月26日発生の大規模林野火災に触れ、被災者を気遣うとともに、支援への感謝を込めた。
林野火災被害からの復旧・復興について「8年度も引き続き最優先施策として取り組む」と強調。被災者住宅再建や、被災したテレビ共同受信施設の本復旧、心のケアなどを考慮した被災者見守り・相談などの各支援事業を掲げ、被災者に寄り添う丁寧な推進に意欲を示した。
農林漁業をはじめ多業種にわたる事業活動の再生では、生産や事業環境に考慮した手立ても重視。防災施策強化では、林野火災の経験を踏まえ、関係機関や団体と連携・協働を強化し、意識啓発事業を進める。
森林分野では、今月、国に提出した災害復旧事業の計画概要書をもとにした災害査定の現地調査終了に言及。「復旧にとどまらず、ふるさと大船渡の豊かな森林を再生・復興していく」とも述べ、官民関係者による市林地再生対策協議会での協議を踏まえた関連計画の策定方針を掲げた。
そのうえで「被害木の有効活用、市民や民間事業者との協働、グリーンカーボンとの連動など、多様な主体により再生が進むような工夫や、森林所有者の意欲を喚起するための市独自の支援制度も検討する。本市における取り組みを『いわて・大船渡モデル』として、全国から参考とされるようなものにしたい」と語った。
主要施策は、総合計画に掲げる大綱別に説明。子供・子育て支援の充実では「おおふなと子育て応援祝金」を拡充するとし、人数にかかわらず、子どもが誕生した際に一律で6万円分、小学校や中学校の入学時にも1万円分を支給する。
組織再編も進め、林野火災対策局に森林再生を担当する係を新設する方針を示した。さらに、総務部防災管理室を再編しての危機防災対策課、観光交流推進室の再編による観光交流課もそれぞれ設ける。
今後の市政運営では、市民と対話を重ねるとともに、将来を見据えて既存事業を見直し、財源を捻出する重要性を指摘。「変化をおそれないこと、挑戦することが肝要。私自身も、これまで以上に動いて、動いて、骨身を惜しまず、汗をかいて、大船渡の大きな未来に向けて挑む。多くの皆さんに『大船渡のパワー』『大船渡に暮らす安心』を実感していただけるよう、各般の施策を積極果敢に推進する」と締めた。
引き続き、小松伸也教育長が所信表明演述に臨んだ。新年度から中学校運動部の休日活動が地域クラブに移行することへの円滑な推進に加え、第2期となる市立小・中学校適正規模・適正配置計画基本計画の策定に向け、保護者や関係者と協議を進める方針などを示した。
また、新年度は明治三陸津波から130周年を迎えることから、地震や津波に関する博物館講座の実施や、津波防災の取り組みに関する常設展示の一部改修などを計画。今年5月には、県指定無形民俗文化財に指定された「盛町五年祭」が指定後初めて実施されるのに合わせ、行事の成り立ちや全体像を体系的に記録する取り組みを進める。
昨年の定例会初日は、林野火災対応が続いていたことから、市長の施政方針演述や教育長の所信表明、幹部職員による議案説明が大幅に短縮された。今定例会は例年通り行われた。
今定例会の日程次の通り。
▽21日~25日=休会▽26日=本会議(議案審議)▽27日~3月3日=休会▽4~6日=一般質問▽3月7~11日=休会▽12、13日=予算審査特別委員会▽14~16日=休会▽17日=本会議(議案審議)






