全量で7500TEU突破 令和7年の大船渡港コンテナ貨物取扱量 輸入・移入利用伸び過去最高に 地道なポートセールス奏功
令和8年2月22日付 1面
令和7年における大船渡港コンテナ貨物取扱量(全量、空コンテナ含む)の速報値は、前年比32・6%増の7524TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個)で、過去最高となった。住宅建材などの輸入に加え、廃プラスチックなどの国内移入が伸び、新たな貨物需要も実績を押し上げた。同港関係者は、これまで地道に展開したポートセールスへの手応えを弾みに、さらなる利用拡大への取り組みを強化する。(佐藤 壮)
令和7年のコンテナ貨物利用が過去最高となった大船渡港
市によると、全量で7500TEUを超えたのは、平成19年の定期航路開設以来初めて。これまでは令和6年の5675TEUが最高だったが、一気に7000TEU台に乗せた。荷物が入っている状態の実入りも4828TEUと前年比28・3%増となり、過去最高となった。
全量実績のうち、輸入は同27・1%増。東北を中心に仕向ける住宅建材の輸入利用が好調で推移している。輸出は同2・4%増だった。
移入分は1221TEUで、同85%増。首都圏で出た廃プラスチックなどを再生可能資源として太平洋セメント㈱大船渡工場に搬送する内航コンテナ静脈物流航路利用が定着し、令和2年の開設以来、初めて年間で1000TEUを超えた。移出も1248TEUと、前年から2倍超の伸びとなった。
輸入と移入は、すべて実入り。輸出・移出は空コンテナの割合が高く、引き続き輸入と輸出の安定が課題となっている。
こうした中、昨年は肥料や土壌改良材などとして活用される鶏糞を輸出・移出する動きがあり、今後も期待される。一時的なニーズとして、更新に伴って使われなくなり、中古品として需要がある太陽光発電パネルを輸出するための利用もあったという。
外貿船が多数寄港する関東主要港を結ぶ国際フィーダーコンテナ定期航路は現在、オーシャンネットワークエクスプレス㈱が鈴与海運㈱と提携して運航。内航航路は「京浜港─大船渡港─仙台塩釜港─京浜港」で、大船渡港には毎週寄港し、京浜港で外航船に積み替え、各国に運ばれる。
大船渡港は幹線道路から荷物を運びやすい地理的な要因に加え、気候面に左右されにくく、スケジュールが安定していることも好まれ、他港からのシフトも増えつつある。トラック運転手の時間外労働が規制強化される2024年問題への対応や、二酸化炭素排出量削減が叫ばれる中、陸上輸送から海上輸送への転換も追い風となっている。
コロナ禍の影響収束を受け、一昨年と昨年には東京で「いわて・大船渡港セミナー」を開催したほか、地元内外での企業回りなど官民一体となったポートセールスを展開。セミナーに出席した企業からのつながりで、新たな利用が生まれた成果も出ている。
輸送に必要なハーバークレーンやリーチスタッカーの管理運営などを担う大船渡国際港湾ターミナル協同組合の細川廣行理事長は「ポートセールスを一生懸命行ってきた結果。新規の貨物輸出も少しずつ見え始めており、これからも伸ばしていきたい」と力を込める。
年別の実績は別掲。






