気仙に春告げる桜色 イサダ漁がスタート 市魚市場 初日は35㌧と低調な出足に(別写真あり)
令和8年2月25日付 1面
三陸沿岸に春の訪れを告げるイサダ漁が24日、スタートした。同日は大船渡市魚市場に17隻が入港し、合わせて約35㌧を水揚げ。初日の数量は前年を10㌧ほど下回り、低調な出足となったが、カゴいっぱいに詰まった桜色の魚体に水産関係者らの活気が生まれ、今後の漁況好転に期待を込めた。(菅野弘大)
イサダはツノナシオキアミの別称で、主に養殖や遊漁の餌として流通。例年2月下旬から3月上旬に漁解禁となり、漁況次第では4月末ごろまで水揚げが続く。桜色の魚体は浜に春らしさをもたらし、県内では食用やサプリメント商品としての利活用も進む。
同日は、気仙のイサダ船17隻が出漁し、綾里沖など大船渡以北の漁場で操業。午後2時45分ごろから続々と接岸し、南側岸壁は満船状態となった。各漁船ではイサダの入ったかごをクレーンで次々と陸に揚げ、フォークリフトからトラックに積み込まれた。
数量は、17隻で30㌔入りのかご計1168個を水揚げ。入札では、1㌔当たり125円で取引され、昨年の初水揚げ時から50円下がった。
昨年は、2月26日に発生した大規模林野火災の影響で、漁業者の多い三陸町綾里や赤崎町に避難指示が出され、漁船が航行する周辺海域では自衛隊などのヘリが海水をくみ上げての消火作業を行っていたことから、解禁日から休漁を余儀なくされた。
先行きの見えない中、漁業者らは漁を諦めずに船を出す準備を進め、避難指示解除後の3月10日に初水揚げにこぎ着けた。綾里地区のイサダ船も初水揚げの2日後から漁を始め、出漁が遅れた中でもまとまった数量を継続して運び、実績は水揚げ数量が前年比166%増の2258㌧、金額(税込み)も同121%増の2億7212万円で、数量、金額とも前年の2倍以上となった。
県水産技術センターが今月12日に実施したイサダ漁場探索調査では、山田町の大釜埼沖や宮古市の閉伊埼沖でイサダと推定される魚探反応があった。しかし、同日の漁況は思わしくなく、関係者からは「期待はできないかもしれない」と嘆く声も聞かれた。
県沿岸漁船漁業組合の組合長理事を務める第二十一志和丸の志田惠洋船頭=赤崎町=は「綾里沖の水深200㍍のところで漁獲した。山田沖まで行ったが、魚影は薄く全然だめ。冷たい親潮は来ているようだが、予報も良くなく、見通しは分からない。やってきた中では過去一番悪いね」と話した。
市魚市場におけるイサダの実績は、令和5年に3153㌧の水揚げがあったが、6年は849㌧と減少。昨年は2258㌧と上向いた中、今季の漁況にも注目が集まる。





