政治姿勢、公約巡り論戦 佐々木市長 現任期1年切り続投に意欲 市議会一般質問 大学誘致で新展開発表
令和8年2月27日付 1面
【一部既報】陸前高田市の佐々木拓市長の1期目任期(令和9年2月12日)満了まで1年を切った中、25、26の両日行われた市議会定例会の一般質問で、市長の政治姿勢や公約を巡る論戦が相次いだ。次期市長選への考えを問われた市長は続投への意欲を示し、3年前の前回選で掲げた公約「大学誘致」関連では新たに東京大と連携協力していくことを発表。公約に関しては、議員から過去の発言との整合性などを指摘され、市長から波紋を呼びかねない発言も聞かれた。現任期を全力疾走する市長と、市政運営をチェックする議会とのやり取りは、今後さらに熱を帯びそうだ。(高橋 信、2面に一般質問の主なやりとり)
市長の政治姿勢や公約は、25日に鵜浦昌也(創生会)、大和田加代子(無所属)両議員、26日に藤倉泰治(日本共産党)、佐々木良麻(とうほく未来創生)両議員が取り上げた。
鵜浦議員は次期市長選への態度を質問。市長は「次の選挙戦で市民から信任がしっかり得られるよう、残りの任期を精いっぱい仕事に取り組んでいく」と述べた。
大和田議員は「大学誘致」を取り上げ、市長は東京大生産技術研究所、同大大学院農学生命科学研究科と市が、地方創生に関する連携協力協定を3月に締結することを明かし、「規模は大きくないが、コミュニティホールの一室などで活動を始める方針。東京大があるまちになるような思いで、イメージアップ効果は大きい」と期待感を示した。
また、市長は複数の大学の分校がある青森県むつ市を引き合いに出し、「本市にもそのような大学の分校ができれば、若者が自宅から通い、学位を取得することもできるようになる。引き続き、そうしたことにも取り組んでいきたい」と意欲を示した。
同議員は、再質問で「陸前高田は、学ぶ意欲のあるまち。今回提携先となった大学とも公開講座など市民が直接関われる機会があれば、大学のことをより身近に感じられると思うがどうか」とただした。
山田市雄教育長は「成人だけでなく、中学生や高校生にも受けてもらえば、子どもたちの世界を広げる一つの契機になると考えている。大いに期待したい」と述べた。
佐々木議員は、市内小学生が学びのマニフェスト「まなびフェスト」を掲げて学習活動に取り組んでいることを挙げ、「選挙公約は市民との約束。次代を担う子どもたちの模範となるような姿勢を示していただくことを切に期待する」とし、大学誘致に関する市長の考えなどをただした。
これに対し、市長は「子どもとの約束を引き合いに出し、私の取り組みがうさんくさいような感じで言われるとは。そんなことのないように努力していきたい」と不服を表す一幕もあった。
また、中央大や東京大と今後連携していくとした答弁の中で「大学誘致の公約を掲げたことについて、皆さんから指摘を受け、『やめておけばよかったな』と思うこともある。しかし、もし掲げていなかったら今の東京大学、中央大学のような状況は生まれていなかったと思うと、これから一生懸命頑張るしかない」と述べた。
同議員は再質問で、市長が施政方針演述で「大切なことは、これから本市で活動する大学生、教職員を市を挙げて歓迎するような雰囲気をつくっていくこと」と述べたことに賛同。「市を挙げて歓迎するような雰囲気をつくるには、市民との対話で説明する機会が重要。説明会を進めて歓迎ムードをつくっていく考えはないか」と見解をただした。
市長は「そうした醸成は議員と同じ思い。可能な範囲で心がけていきたい」と語った。
藤倉議員は公約「4年間で農林水産業の生産額倍増」に関し、水産大手のグループ社が始めたサーモンの海面養殖や、関連する事業が順調に推移すれば公約達成する見通しとした市長の過去の発言を問題視。「サーモン養殖関連事業だけで、農林水トータルの達成とみるのか」と答弁を求めた。
市長はサーモン養殖や関連事業について「事業はまだ始まったばかりで、今後経済面、雇用面でかなり大きな規模になると見込まれる。こうした取り組みが契機となり、海洋分野を中心とした企業と大学などとの間で、技術革新や新たな産業創出に向けた取り組みが始まることとなったことは三陸地域の産業の発展、地域の活性化にとって新たな可能性が出てきたと考えている」と述べた。
そのうえで、「こうした取り組みの方向性が今後より具体的になれば、どの部分が公約達成に不十分であるか明らかになると考えているが、そうしたことのないように全力で頑張る。公約の達成状況は次の選挙の争点になる。その時に向けて引き続き取り組むとともに、理論武装のあり方についても考えていきたい」と答えた。





