郷土料理伝え四半世紀 「食の匠」気仙地方連絡会が受賞 第51回東海社会文化賞 顕彰式で尽力たたえる(別写真あり)

▲ 第51回東海社会文化賞を受賞した「食の匠」気仙地方連絡会

 福祉や文化、教育、産業などの分野で地道な活動を続ける個人、団体を顕彰する第51回東海社会文化賞(東海社会文化事業基金主催)の顕彰式は27日、大船渡市盛町の「三陸の味高帆」で開かれた。今回は、四半世紀余りにわたって気仙地域の食文化や郷土料理の伝承活動に尽力する「食の匠」気仙地方連絡会(石川栄子会長)が受賞。出席した会員らは受賞を機に、先人たちから受け継いだ気仙の食を後世へと引き継いでいく決意を新たにした。(三浦佳恵)

 

 顕彰式には、熊谷弘子副会長ら会員9人が出席。同基金代表の鈴木英里東海新報社代表取締役は「核家族化が進み、季節ごとの風習も廃れていく中、皆さまが活動を続け、人々と気仙の食を結ぶ架け橋となっていることに感謝したい。皆さまは食の技術者や伝道者だけではなく、気仙の魅力を発信する親善大使でもある。今後もますますの活躍を」とあいさつし、熊谷副会長らに気仙スギ製の顕彰状などを手渡した。
 これに対し、熊谷副会長は「長年にわたり活動を続けてこられて亡くなられた先輩の方々、体調不良などで活動を休止している会員も、共に喜んでいると思う」などと述べ、連絡会事務局を務める県大船渡農業改良普及センターや地域の支えに感謝。「会員も高齢化で思うような活動が難しく、若い担い手を考えているところだが、特に県立大船渡東高校による郷土料理伝承活動には、とても期待している。今後も会員一同、伝承活動を続けていきたい」と、さらなるまい進を誓った。
 出席した会員らも、食の匠となった経緯や自身の活動などを交えながらスピーチを行い、「今回の受賞はとてもうれしい」「今後も伝承活動に取り組んでいきたい」などと謝意、決意を示した。
 「食の匠」は、県内で長年継承されてきた地域の食文化や郷土料理などに関する知識・技術を受け継ぎ、その情報発信と次代への伝承ができる個人・団体を県が認定する制度。平成8年度に創設され、一時休止を経て令和7年度までに県内の312人・組が認定を受けた。
 気仙の食の匠は、大船渡市11人、陸前高田市8人、住田町6人の計25人。気仙地方連絡会は、認定者同士の情報交換と交流を通じて研さんを重ね、気仙のよりよい食文化を創造、伝承しようと平成12年2月に発足した。
 会員間の研修の場である「郷土料理講習会」をはじめ、大船渡地方農業振興協議会との共催で、新たな伝承者の育成と交流を図る「郷土料理伝承者交流会」や「郷土料理伝承者育成講習会」、県立大船渡東高校の生徒らを対象とした「高校生を対象とした郷土料理伝承事業」「気仙の味伝承会」を展開。気仙の郷土料理と調理技術を幅広い世代に広めている。 
 東海社会文化賞は、東海新報社創立15周年を記念して昭和48年に創設された。気仙で名利を求めず社会に貢献した陰徳の個人・団体を顕彰しており、受賞者数は通算73個人55団体となった。