大好きなまちを将来も キャッセン大船渡 10周年と「あの日」受賞祝賀会
令和8年3月1日付 6面

現在は風車を飾って来訪者を出迎えているキャッセン大船渡
㈱キャッセン大船渡(田村滿代表取締役)の創業10周年と、同社などが関わる防災観光アドベンチャー「あの日」の防災功労者内閣総理大臣表彰受賞などを記念する祝賀会が2月28日、大船渡市大船渡町の大船渡プラザホテルで開かれた。東日本大震災以降の復興まちづくり事業に携わる関係者が集い、キャッセン整備準備からの思い出を振り返るとともに、さらなる充実を誓い合った。
市内各界の関係者、これまでの整備や事業に関わった人々ら約70人が出席。田村代表取締役は「10周年は、皆さんの助けがあったからこそ。感謝のつどいとなれば」とあいさつ。渕上清市長と、キャッセン大船渡エリアの整備にエリアマネジメント・パートナーとして参画した大和リース㈱の森田俊作代表取締役会長が祝辞を述べた。
乾杯後は歓談に入り、ステージでは「あの日」に楽曲を提供している3人組ロックバンド「FUNNY THINK(ファニーシンク)」が演奏を披露。ギターの金野一晟さん(27)とドラムの森亨一さん(27)は同町出身で、金野さんは「大船渡で結成したバンドが、今は全国で活動し、キャッセンで曲を使っていただいた。震災直後までは地元に誇りが持てなかったが、キャッセンができて、今は大好きなまちになった」と語った。
創業10年の歩み、思い出を振り返るテーブルスピーチや、キャッセン大船渡の初代代表取締役である戸田公明前市長の「三本締め」も。出席者は交流を深めながら、節目の喜びを分かち合った。
平成23年の震災発生を受け、市では翌年から市街地再生のワーキンググループでエリアマネジメントの導入検討に入った。26年には官民連携まちづくり協議会が発足し、27年12月15日に市や大船渡商工会議所、大和リース、さいとう製菓、サクラダ、マイヤ、岩手銀行、北日本銀行、東北銀行が出資してキャッセン大船渡が設立された。
その後、29年に直営の商業施設「モール&パティオ」「フードヴィレッジ」がオープン。コロナ禍の苦境に直面しながらも、令和4年には「あの日」の運用が本格化した。
キャッセンエリアを中心に体験できる「あの日」は、スマートフォンから震災の経験を伝える音声が流れ、高台への迅速な避難など「生きる知恵」を学べる仕組み。地元住民・事業者の経験を基にした「避難行動」に焦点を当て、音声などで拡張現実(AR)に触れながら震災の疑似体験に没入でき、観光などの高付加価値化に結びつけている。昨年、防災功労者内閣総理大臣表彰や防災まちづくり大賞総務大臣賞を受賞した。





