大規模林野火災の安全確保や2次被害防止── 山林整備必要区域は1300㌶ 意向調査の復旧希望面積と開き
令和8年3月6日付 1面
市議会一般質問で当局示す
大船渡市は、5日に開かれた市議会3月定例会一般質問で、大規模林野火災で被災した山林復旧や2次被害防止などに向け、特に整備が必要とされる面積を約1300㌶と見込んでいることを明らかにした。昨年秋に実施した激甚災害指定に伴う森林災害復旧事業に「希望する」と回答した所有者の面積合計783・74㌶とは開きがある。市では、森林再生に向けた支援メニューを整理し、「希望しない」とした所有者に改めて意向調査を行う方針も示した。(佐藤 壮、2面に一般質問の主なやりとり)
一般質問では、遠藤章議員(清陵会)が「森林災害復旧事業に『希望しない』と回答した方々に対し、今後、どういった方向性が良いかなどを示す用意はあるか」「被災木が山に残されることによる2次被害が危惧される」などと追及。山岸健悦郎農林水産部長が今後の見通しを示した。
大規模林野火災の被災森林面積は、3370㌶に及ぶ。市は昨年9~10月、被災人工林所有者を対象に、森林災害復旧事業意向調査の意向調査を実施。調査対象面積1709・37㌶のうち、森林災害復旧事業を「希望する」と回答した面積合計は783・74㌶となった。
山岸部長は「市民生活の安全のために、森林の復旧や土砂流出を防止する対策として、特に整備が必要な区域は約1300㌶と考えている」と答弁。事業希望面積と、今後の環境保全に必要な整備面積に開きがある状況が明らかになった。
復旧を希望しない旨の回答では、理由として管理などにおける経済的な負担が浮かび上がった。こうした中、市は再造林後の下草刈りに対する支援の拡充策などを行うことにしている。
答弁では、防災・減災の観点に加え、森林の公益的機能を復旧・回復させる観点でも森林再生の重要性を強調。「森林再生関連事業のPRを強化していくとともに、災害義援金で確保した財源を活用した支援策を検討し、新たな対策が一定程度まとまった段階で、災害復旧を希望しない旨の回答をされた方に対して、改めて意向調査を行いたい」と述べた。
「希望しない」と回答した所有者への丁寧な対応を求める遠藤議員の再質問に対し、佐藤雅基農林課長は「別の森林整備事業もある。利用してもらうことが有益であることを粘り強くPRしたい。支援制度や財源確保が整った段階で、意向調査を行いたい」と答えた。
昨年12月、大規模林野火災の義援金配分委員会は、残額4億5000万円余りに関し、被災した山林所有者の支援に充てる方針を決めた。土壌保持や保水力といった治山機能など、公益的機能の低下が懸念される森林の災害復旧促進に向けて市の基金として積み立て、国の激甚災害指定に伴う森林災害復旧事業の対象とならない経費の支援に役立てる。
同事業では、被害木の伐採と整理作業(地ごしらえ)に加え、植樹やシカ防護網の設置などを行う。伐採や植栽に対する所有者の負担はないが、森林保険の保険料や除草作業以降の管理費用などが発生する。
市はこれまで、こうした所有者負担の軽減策を検討する方針を示してきた。同事業に該当しない区域の森林整備事業で行う際も、負担軽減支援を講じることにしている。






