未来へ さらなる成長願い 県が高田松原で間伐作業 植栽完了後初めて実施 震災から15年で新たな段階に(別写真あり)
令和8年3月7日付 7面
平成23年の東日本大震災で壊滅的な被害を受け、官民一体による松原の再生が進む陸前高田市の高田松原で現在、県によるマツの間伐作業が行われている。マツ苗の植栽完了後は初の作業で、木々の高さが4㍍に達したエリアを対象に枝打ちと間伐を実施。人が入れないほどに木々が密集していた対象エリアではすっきりとした光景が広がり、マツの成長促進により適した環境となった。震災発生から間もなく15年になろうとする中、松原の再生は新たな段階を迎えており、県は未来へ残していくために関係機関と連携して保全を進めていく。(三浦佳恵)
震災前、高田松原には約7万本のマツが並び、白砂青松の美しい風景を形成。しかし、15年前の津波で奇跡の一本松を残し、流失してしまった。
その後、再生に向けて県や市、地元のNPO法人高田松原を守る会が連携し、平成28年10月に試験植栽を実施。翌29年から本格的に植栽に入り、全国の協力を受けて令和3年5月までに約4万本のマツ苗を植えた。
植栽完了後も、官民が連携して保全活動を展開。世代を超えた多くのボランティアも携わり、マツは人々の愛情を受けながらすくすくと育った。
県は6年度に枝打ち作業を行い、7年度は枝打ちを継続するとともに、植栽地7・7㌶のうち、マツの高さが4㍍に達した5・8㌶のエリアで間伐を計画。間伐作業は国のガイドラインに基づくもので、昨年10月末から今月13日(金)までを事業期間とし、陸前高田市森林組合が受注した。
作業は今年1月に始まり、枝打ちはマツの地上高1~1・5㍍の部分で実施。間伐は、海岸線に沿って海側から3列並んだマツを残し、次の1列を切る「1伐3残」の手法で展開した。同組合の職員らが植栽地に分け入り、手作業で行っている。
間伐は終盤を迎えており、事業期間内には完了する見込み。作業を終えたエリアは、木々の間から日の光が差し込むほどすっきりとした環境に生まれ変わった。
植栽地では近年、マツの成長を阻害するマメ科クズ属の多年草・クズの繁茂に悩まされているが、枝打ちと間伐によってマツ林の中に人が入れるようになり、除去作業もしやすい形となった。
県は8年度、年2回にわたるクズの除去に加え、暴風柵の撤去、クズの影響でマツ苗が枯死した植栽地計0・13㌶での補植作業を予定。間伐後は幹が細い木が風などで倒れやすくなるため、今後の成長を注視しながら管理を行っていく。また、マツの生育状況に合わせて間伐も進めていく考えだ。
県大船渡農林振興センターの橋本吉弘森林保全課長は「多くの方々の協力で植えたマツが現段階まで順調に育ち、最初の間伐作業を行うことができた。高田松原は震災からの復興の象徴でもある。今後も関係機関と連携し、次世代へ残していくための取り組みをしていきたい。多くの方々に、松原の保全に対する関心を寄せてもらえれば」と話している。






