市町の枠超え産金学ぶ 日本遺産認定7周年 GOLD浪漫シンポ
令和8年3月8日付 6面
陸前高田市高田町の奇跡の一本松ホールで7日、文化庁の日本遺産「みちのくGOLD浪漫」認定7周年を記念するシンポジウムが開かれた。構成自治体の学芸員や市教委が産金文化財について報告し、来場者らは市町の枠を超えて産金の歴史に理解を深めた。
みちのくGOLD浪漫は、奈良時代から昭和後期までのみちのくの産金史を点在する各文化財で構築するストーリー。令和元年に文化庁が日本遺産として認定し、現在は気仙両市を含む岩手と宮城両県の7市町で構成する。
シンポジウムは、7市町でつくる推進協議会が主催し、陸前高田市教委と㈱共立ソリューションズが共催。約90人が来場した。
はじめに報告が行われ、同市立博物館の浅川崇典学芸員、大船渡市立博物館の村田匠係長、住田町教委の佐々木喜之教育次長補佐、一関市教委の畠山篤雄文化財調査研究員が登壇。各市町の産金文化財や、産金文化を伝える取り組みを報告した。
このうち、村田係長は、大船渡市の産金文化財と歴史を紹介。今出山金山跡や、大船渡湾の景観をたたえたスペイン使節、セバスチャン・ビスカイノとの関わりなどを取り上げた。
村田係長は今出山金山跡にまつわるエピソードについて「坑道が崩れて多くの人が犠牲になるも1人だけ助かったという〝千人坑伝説〟は東北各地に伝わっている。しかし、今出山のように実際に慰霊碑が建てられているのは珍しい例」と、同市の文化財の特色を説明した。
その後は、県南部の産金文化財などをテーマにした登壇者4人のパネルディスカッションや、質疑応答も行われた。
みちのくGOLD浪漫は、大船渡市が昨年7月に追加認定を受けており、来年度には住田町と一関市も構成自治体に加わる意向を示している。
市立博物館で記念展解説会

佐々木さん(左奥)の解説に耳を傾ける来館者ら
陸前高田市高田町の市立博物館(菅野義則館長)は同日、1月末から館内で開いている日本遺産認定7周年記念展「日本遺産みちのくGOLD浪漫─黄金の国ジパング、産金のはじまりの地をたどる─」の展示解説を行った。市内外からの来館者が学芸員の解説に耳を傾け、日本の産金文化を物語る各展示物への関心を高めた。
特別展は1月31日にスタート。国指定重要文化財の「金銀蒔絵鏡箱」(平泉町教委所蔵)をはじめ、産金が行われていた当時の金山の運営管理や気仙郡の行政記録となる「松坂家文書」と「吉田家文書」、昨年に住田町で発見された「紺紙金字一切経」の一部など、関連資料が展示されている。
この日の展示解説には、市内外からの来館者約10人が参加。同館学芸員の佐々木翔さんが案内した。
佐々木さんは、展示の第1章「はじまりは一粒の〝砂金〟から」から順を追ってストーリーを説明。749年の宮城県涌谷町での金産出に始まり、金鉱脈を有する岩手、宮城両県の特異な地質、平泉町の中尊寺「金色堂」の歴史と文化財のつながりなどに触れながら、各展示物に宿る物語と魅力を語った。
近年開かれた水晶掘り体験イベントで金が見つかったことや、東北の三大霊場の一つ「金華山」の名前の由来など〝小話〟もあり、参加者は興味深く解説に聞き入った。「金銀蒔絵鏡箱」は「普段は保管庫にあり、めったに外に出ないもの」とし、今記念展の貴重さについて改めて感じ取った様子だった。
展示は15日(日)までで、観覧料800円(高校生以下無料)。月曜休館。問い合わせは同館(℡54・4224)へ。






