R7年は119・5万人 市まとめ 観光入込客数速報値 前年比で10・3%減 三陸花火中止などで落ち込む

 陸前高田市は、令和7年の市内観光入込客数(速報値)をまとめた。全体数は119万5336人で、6年対比で10・3%減。市によると、数万人規模を呼び寄せていた三陸花火大会・競技大会の中止が減少の主な要因といい、東日本大震災後最多の規模となった5、6年の年間130万人台から一歩後退した。市まちづくり総合計画後期基本計画(6~10年度)に記載している目標数は、年間150万人。市は来年2月ごろを予定するホテルオープンを好機と捉え、関係機関と連携しながら滞在型観光の推進、観光消費の拡大などに力を入れていく。(高橋 信)

 

 市によると、7年の観光地(イベント含む)ごとの最多は、道の駅高田松原の58万4300人。三陸観光の〝ゲートウェイ(玄関口)〟にも位置づけられている高田松原津波復興祈念公園内にある市内随一の集客施設で、全体の48・9%を占めた。6年と比較すると、4万100人(6・4%)減だったが、月別では8月に震災後初めて10万人を突破するなど好調な期間もあった。
 次いで多かったのが、同道の駅隣にある東日本大震災津波伝承館の21万3623人(前年比11・5%減)。高田松原海水浴場は7~8月に開設し、人数は前年比4399人(27・2%)増の2万548人だった。
 同市の一大観光行事として定着しつつあった春の三陸花火大会、秋の三陸花火競技大会は7年、主催組織の資金難を理由に中止。6年は春と秋で計5万2000人に上った人気イベントだっただけに大きな痛手となった。
 三陸花火の観覧会場だった高田松原運動公園は、前年比3万2726人(48・5%)減の3万4808人に落ち込み、観光地別の減少幅が最も大きかった。同イベントの中止に加え、昨年2月に発生した大船渡市大規模林野火災に伴う防災ヘリ離着陸場として活用され、一般利用を一時休止したため減少した。
 市が手がけた最後の震災復旧施設で、昨年5月に開館した県指定有形文化財「旧吉田家住宅主屋」は、1万2266人だった。
 同市の入込客数は平成元年以降、年間100万~180万人台で推移。震災で甚大な被害を受けた影響で、発災年の23年は20万人程度に急落し、それ以降、復旧・復興の進展を背景に回復傾向にあった。
 令和元年9月に高田松原津波復興祈念公園が開園し、3年夏、県による砂浜の再整備を終えた高田松原海水浴場が復活。観光地が段階的に整い、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和も背景に、5年は134万人、6年は133万人に達した。
 一方で、市内の観光利用は高田松原エリアをメインとした「短時間通過型」が多く、「滞在型観光」に転換できるかが今後の大きな課題。商業者らは同エリアから高田町の中心市街地に観光客らを呼び込もうと、昨年、路上市の定期開催に乗り出し、同町では人気ビジネスホテルの建設も進む。サクラの名所やクルミ科の木の実「ピーカンナッツ」の森形成に向けた企業・団体によるプロジェクトも始まった。
 市はこうした民間などの動きと連動しながら、観光振興を図っていきたい考え。運動施設が充実しており、本県の中では比較的温暖な気候を生かしたスポーツツーリズムの推進に力を入れ、インバウンド(訪日外国人)誘致に向け、東北太平洋沿岸の自然歩道「みちのく潮風トレイル」もPRしていく。
 市商工交流部の村上知幸部長は「来年はホテルのオープンを控えている。滞在型観光にシフトできるよう、市内関係機関などと連携しながら観光施策に取り組み、150万人という目標を達成したい」と見据える。