新年度各種予算案可決へ 市議会特別委 防災力向上や山林再生などで論戦

▲ 一般会計をはじめ新年度予算案を審議

 大船渡市議会3月定例会は13日、議長を除く全議員で構成する予算審査特別委員会(渡辺徹委員長)を開き、令和8年度各種予算案の総括質疑を行った。防災力向上や行財政運営、大規模林野火災の復旧・復興事業、地域課題解決に向けた質疑が行われたあと、一般会計をはじめいずれの予算案も「可決すべき」と決めた。17日(火)の最終本会議で採決される。(佐藤 壮)

 

 審議した予算案は、一般会計と魚市場、介護保険(介護サービス事業勘定)、同(保険事業勘定)、後期高齢者医療、国民健康保険(事業勘定)、同(診療施設勘定)の6特別会計、下水道、水道の2事業会計。予算審査特別委は12日に始まり、初日は各種予算案を審議し、2日目は委員15人が総括質疑を行った。
 一般会計と6特別会計の合計額は346億4283万円で、現年度当初比39億9315万円(13%)の増。一般会計は現年度当初比41億1000万円(19・4%)増の253億円で、大規模林野火災関連事業が盛り込まれたことで令和以降では最大となった。
 総括質疑のうち、宮﨑和貴議員(光政会)は新規事業の市地域防災リーダー育成プロジェクトを取り上げた。防災士養成研修などを計画する中、参加を想定している層などを尋ねた。
 伊藤晴喜防災管理室次長は「長く地域で防災の取り組みを進められる方が望ましい」と答弁。これに対し、同議員や職場の理解の広がりや移住者の積極的な受講などに期待を込めた。
 小松則也議員(新政同友会)は、新年度拡充する子育て応援祝金支給事業を挙げ「予算化にあたり、どのような議論が交わされたのか」と質問。同事業では、出生時に祝い金として6万円分、小学校・中学校の入学時にも1万円分の大船渡地域商品券を支給する。
 川内利誉こども家庭センター所長は「新規事業の『妊婦健診ゼロ負担サポート事業』も含め、妊娠から出産、産後のサポートを手厚くしたい。祝い金はこれまで、第2子、第3子は増額するものだったが『等しく応援したい、お祝いしたい』との狙いもある」と述べた。
 岡澤駿議員(清陵会)は、市税収入の減少が続き自主財源確保に厳しさを増す中、市の補助金支出のあり方を巡り論戦。「市の補助や支援に対して、イベントや行事をやりたい人がしっかりとアクセスできる環境を担保していくことが重要」などと迫った。
 阿部貴俊企画調整課長は「対象を等しく市民・団体とするものは要綱を定め、広報などで周知している。一方で、夏祭りのように、市もしっかりやりたいと考え、別の団体が運営しているものなど、個別支援が必要なケースもある。今後も見極めたい」と述べた。
 船野章議員(改革大船渡)は、大規模林野火災で被災した山林での土砂災害などの危険性を指摘。「治山や砂防施設をつくらずとも、ミズナラなどの広葉樹を植えることで、被害を防げるのでは」と提言した。
 佐藤雅基農林課長は「県や事業体などから話を聞き、研究をしながら進める」と答弁。当局は昨年秋の森林災害復旧事業に関する意向調査で「希望しない」と回答した人や未回答者に対し、森林再生の支援メニューを整理して再度意向を確認したい考えを示した。
 滝田松男議員(日本共産党大船渡市議団)は、新年度から放課後学童クラブの多くで、NPO法人が会計や指導員管理を担う動きを追及。指導員の質向上につながる研修機会の充実を強調した。
 川内所長は「学びや研修は、NPO法人の立ち上げ当時から市としてお願いしている」と説明。これまで父母会が担っていた会計業務の負担軽減など、法人化のメリットにも言及した。