〝三度目の正直〟待望の開催 全国椿サミット きょう開幕 リアスホールで式典、展示多彩に(別写真あり)

▲ サミット当日に向け「迎え花」装飾の作業にあたる気仙地区草月会のメンバー

 15年前と4年前、いずれも直前で中止を余儀なくされた交流と発信の舞台が、ようやく実現を迎える。全国椿サミット大船渡大会が14、15の両日、大船渡市盛町のリアスホールで開催される。東日本大震災、新型コロナウイルスの影響を受け、さらに昨年は大規模林野火災にも見舞われた中、復興とこれまで寄せられた支援への感謝の思いを乗せ、多彩なステージ事業や展示・販売で歓迎する。(佐藤 壮)

 

 大船渡大会は、市内関係団体で組織する実行委員会と市が主催。ツバキを自治体花木に指定している市町村等で組織する全国椿サミット協議会と、日本ツバキ協会が共催し、全国椿サミット自体は各地で年1回開催される。ツバキの魅力を再確認し、ツバキを生かした地域振興につなげようと、開催地の自治体・各種団体が中心となり準備・運営を進める。
 今大会のキャッチフレーズは「椿に託す感謝の想い 復興の歩みを未来へ」。大船渡市での開催は、平成12年以来26年ぶりとなる。
 初回のサミット成功を機に、地元関係者はまちづくりへのさらなる活用を誓うとともに、着実に取り組みを進めた。三陸町の合併から10年を迎えた平成23年、震災発生からから10年が経過した令和4年のそれぞれ3月にも開催を計画していたが、いずれも実現できなかった。
 震災で甚大な被害を受けた一方、ツバキを通じた産業や復興活動で、新たな彩りと交流が広がった。コロナ禍を契機とした内製化によって、市内の事業所では椿茶の生産量が拡大した。震災以降のつながりから、昨年の大規模林野火災では多くの支援を受けた。ツバキを通じた交流だけでなく、〝三度目の正直〟となる開催には、多くの思いが宿る。
 会場となるリアスホールでは13日、午前から入り口付近で生け花草月流・気仙地区草月会(森田裕子会長)のメンバーによる「迎え花」の設置作業が行われた。入り口から大ホールなどにつながる通路沿いでは、市華道協会(三浦和子会長)を組織する市内各流派による作品が来場者を出迎える。
 この作品は高さ2㍍にも及ぶ大作で、地元で育つツバキの葉の厚さなど、力強さが感じられる。昨年の大規模林野火災で被災を免れた綾里地区に伸びるヤブツバキの枝や花を生かし、碁石海岸の穴通磯をほうふつとさせる流木も添える。メンバーは声をかけ合いながら手を動かし、歓迎への思いを込めた。
 森田会長(72)は「『つばきのまち』といったことを改めて感じてもらえれば」と話していた。
 サミット初日の14日は、リアスホールで午前に全国椿サミット協議会と日本ツバキ協会の総会をはじめとした各事業があり、午後のステージ事業などは、市民らが無料で入場できる。
 午後1時45分からのオープニングセレモニーには、大船渡東高太鼓部が登場し、同校生徒によるツバキに関する活動発表が行われる。引き続き、岩手大学大学院の相川ゆきえ氏が、ヤブツバキの生育不良要因の解明などを解説。アカペラユニット・XUXU(シュシュ)が地元合唱団体と共演し、大船渡町の「平こども七福神」も披露される。
 休憩を挟み、同3時40分から同市大船渡町に事業所を構える㈱バンザイ・ファクトリーの髙橋和良代表取締役がツバキの植栽によるレッドカーペット・プロジェクトや、椿茶など産業化の各取り組みを発表。同4時20分からの記念ステージには、同市出身の歌手・新沼謙治さんが出演する。
 中庭やホワイエ、マルチスペースでは、特産品やツバキ関連グッズ販売に加え「椿ゆべし」の振る舞いを計画。絵画や写真、手芸、木工品、陶器、詩、デジタルアート、短歌といったツバキを主題とした芸術作品も展示する。大船渡ツバキ協会によるツバキの木を用いた作品、東日本大震災や大規模林野火災に関するパネルも並べる。
 開催時間は午前10時~午後5時。14日は旧レストランスペースに茶席も設けられ、マルチスペースでの作品展示は15日にも行う。同日は世界の椿館・碁石などで視察も計画されている。