ツバキとともに歩みを 第36回全国椿サミット大船渡大会が開幕 きょうもリアスHで展示、市内視察も(別写真あり)

▲ ステージでは幅広い角度からツバキにちなんだ活動成果を発表

 大船渡市内では26年ぶりの開催となる「第36回全国椿サミット大船渡大会」は14日、華やかに開幕し、2度の中止を乗り越えた「つばきの里」を発信した。会場のリアスホールには、ツバキに関する芸術品展示や商品販売、茶席、生け花、特産品コーナーなどが設けられ、官民一体となって全国各地から詰めかけた多くのツバキ愛好者を歓待。15日は、市内のツバキの名所などを巡る視察が行われる。(佐藤 壮、8面に関連記事)

 

多彩なツバキや芸術作品が並ぶ展示部門

 大船渡大会は、市内関係団体で組織する実行委員会と市が主催。ツバキを自治体花木に指定している市町村等で組織する全国椿サミット協議会と、日本ツバキ協会が共催し、全国椿サミット自体は各地で年1回開催される。市内では平成23年と令和4年にも計画されたが、それぞれ東日本大震災とコロナ禍の影響で中止となった。
 待望の開催が実現し、全国から各自治体、団体の関係者ら約160人が出席。式典開幕時には地域住民も合わせて約700人が会場を埋めた。
 渕上清市長は「復興の経過報告と御礼」としてステージに登壇。震災や大規模林野火災での被害と復旧・復興の歩みを振り返り、「市の花であるツバキは、常に希望の象徴。災害を乗り越えてツバキと歩み続ける大船渡を見ていただき、皆さんとの絆がさらに深まることを願う」と語った。
 オープニングセレモニーでは、大船渡東高校太鼓部が力強い演奏を披露。開会行事では、日本ツバキ協会の小泉不二男会長が、日本独自の花であるツバキが国内外で流行した歴史や、さまざまな文化への広がりに触れ「椿サミットを通じて、ツバキの奥深さに触れてもらえれば幸い」と述べた。
 活動発表では、同校農芸科学科の造園専門分会に所属する野口晃さん(2年)と古水愛海さん(同)、戸羽蓮さん(同)が「椿と歩んだ58年~椿の里・可能性への挑戦」と題して発表。大船渡農業高校時代の昭和42年に市から約120種類の寄贈を受けて研究を始めた歩みを紹介し「本校では140種4500本を生産している」「挿し木は年間1000本、成功率70%」などの説明には、熱心に聴講していた参加者から感嘆の声が上がった。
 長年の取り組みで確立させたオリジナル用土の配合割合を示し、ツバキの認知度向上に向けた各種プロジェクトの成果も発信。「これからも固定観念にとらわれない高校生らしい発想で、今しかできないわくわくな研究活動を」と締め、盛大な拍手に包まれた。
 引き続き、岩手大学大学院の相川ゆきえ氏が、ヤブツバキの生育不良要因などを解説し、土壌の透水性過量による乾燥ストレスを指摘。引き続き、アカペラユニット・XUXU(シュシュ)が地元合唱団体と共演したほか、大船渡町の「平こども七福神」の披露でも活気を呼び込んだ。
 休憩を挟み、同市大船渡町に事業所を構える㈱バンザイ・ファクトリーの髙橋和良代表取締役が、東日本大震災以降にツバキにちなんだ取り組みを展開し、椿茶の産業化やツバキの植栽によるレッドカーペット・プロジェクトなどに込めた思いを発表。クライマックスには同市出身の歌手・新沼謙治さんが出演し、歌声で大ホールに集まった来場者を魅了した。
 リアスホールの入り口では、市食生活改善推進員団体連絡協議会が「椿ゆべし」を振る舞った。震災以降、大船渡の復興支援を続ける神奈川県・相模女子大学復興ボランティア委員会によるツバキ関連のスイーツ販売、活動パネル展示も人気を集めた。
 来場者と交流を深めた同委員会の佐藤美和さん(4年)は「大船渡の魅力を知ってほしい思いで活動してきた。椿サミットを通じ、全国から訪れた人々に活動を知ってもらいながら魅力が伝われば」と話していた。
 館内は市華道協会所属の各流派による「迎え花」で彩られたほか、陸前高田市の画家・田﨑飛鳥さんの絵画『三面椿』でも歓迎。ホワイエ2階では、ツバキ関連グッズの販売に加え、ハンギングバスケットの展示が関心を集め、旧レストランスペースでは茶席が設けられた。
 マルチスペースでは、シンボルとなる大きなツバキの木を展示し、ゆったりとくつろげるいすも設けられた。ツバキ関連の芸術作品も並び、幅広い角度から文化やまちづくり活動の成果を発信した。
 大会2日目の15日は、リアスホールで展示部門を継続開催するほか、末崎町の三面椿や碁石椿園、世界の椿館・碁石などで現地視察が行われる。