思い結実 交流温かく 全国椿サミッ ト大船渡大会 市内視察や交流会も盛況(別写真あり)
令和8年3月17日付 1面
全国のツバキ愛好者が集う第36回全国椿サミット大船渡大会(同実行委、市主催)は15日、大船渡市内の視察を行った。日本ツバキ協会の関係者らは、末崎町の世界の椿館・碁石で咲き誇る花々を観賞し、中森熊野神社境内ではヤブツバキとしては国内最大・最古を誇る「大船渡の三面椿」を見上げるなど、市内のツバキに関する多様な資源に理解を深めた。東日本大震災以降、ツバキを通じて気仙の復興を願い続ける愛好者も訪れ、さらなる交流充実を誓い合った。(佐藤 壮)
大船渡に訪れた日本ツバキ協会関係者らが一堂に会した交流会
市内では26年ぶりの開催で、平成23年は東日本大震災、令和4年はコロナ禍の影響で中止に見舞われた椿サミット。今回は、日本ツバキ協会やツバキを自治体花木に指定する自治体関係者ら約160人が集まった。
リアスホールでのステージ部門を中心とした14日に続き、大会2日目の15日は、椿の里・大船渡ガイドの会の案内による市内視察が行われた。好天に恵まれた中、世界の椿館や市立博物館、碁石海岸、三面椿に加え、大船渡町で陸上展示されている木造千石船「気仙丸」などを訪ねた。
椿館では、色鮮やかな花々を前に、さんりく・大船渡ふるさと大使を務めるアカペラユニット・XUXU(シュシュ)が歌声で歓迎。『camellia~椿のうた~』などを響かせ、待望の開催実現を祝った。
会場では、盛町に店舗を構える「ちっちゃなクレープ屋さん」が出店し、椿クレープを販売。平成23年の椿サミットに向け、県内外からの参加者に地元食材を舌と目で楽しんでもらおうと考案したもので、訪れた人々は15年を経て市を代表するスイーツ特産品に定着した美味を堪能した。
中森熊野神社では、大きな枝張りを保ち続ける推定樹齢1400年の三面椿に感嘆の声が上がった。前回の大船渡大会以降、平成14年の台風21号では主幹2本が折れ、樹形のほぼ半分を損失。15年前の東日本大震災では浸水被害を免れ、幾多の津波を乗り越えてきた地域の誇りや、不屈の精神の象徴として存在感が高まった。
樹勢の衰えが指摘される中、官民連携による保全活動などで今年も開花を果たした。市が実施した樹勢診断を受け、根部分の負担を減らすため石垣が撤去されたほか、日頃の管理では堆肥などにも気を配り、地元関係者は2度目のサミット開催を心待ちにしてきた。
東京都立大島高校農林科の杉本実生弥さん(1年)は「これほど大きなツバキは地元になく驚いた。自然災害を受けても生育していることも知り、すごいと思った。母がツバキを生かしたアクセサリー制作をしているので、自分もこれからツバキへの関心を高めていきたい」と語った。
前日夜には、大船渡町の大船渡プラザホテルで交流会を開催。チンドン寺町一座のステージで開幕し、参加者は椿油を使った料理などを囲んで交流を深めたほか、協賛物品が当たる抽選会も行われた。
石川県野々市市からは、日本ツバキ協会野々市支部に所属する約30人が訪れ、そろいのはんてん姿でテーブルを囲んだ。震災以降、社会福祉法人大洋会が運営する陸前高田市矢作町の就労継続支援B型事業所「せせらぎ」では野々市産のツバキを搾油し、瓶詰めをして野々市に送る業務のつながりがあり、支部関係者は気仙の復興への思いを強く持ち続けてきた。
同支部事務局長の高見重任さん(71)は「大船渡の皆さんは『次の椿サミットがいつ開催できるのか』と思い続けてきたと思う。私たちは、車で11時間かけて来たが、その気苦労よりも、大船渡でツバキを愛する皆さんと会えたうれしさの方がはるかに大きい。いつか野々市で、皆さんと元気に会えることを楽しみにしている」と話した。






