「水温も品質も良い」 今季第1回養殖ワカメ入札 昨年初回上回る35・6㌧上場(別写真あり)

▲ 今季初の入札会でワカメの品質を確かめる入札参加業者ら

 今季の第1回県下合同養殖ワカメ入札会は17日、大船渡市大船渡町の県漁連南部支所で開かれた。塩蔵ワカメの上場数量は35・6㌧で、気仙からは広田湾の広田・北浜、同・南浜、綾里(前浜)、吉浜が上場。近年は高海水温による生育遅れで厳しい状況が続いていたが、今年は「水温も品質も良い」との声が聞かれ、関係者らはさらなる品質向上に期待を込める。
 今季初の入札には、県内外から買い付け業者36社(電報含む)が参加。塩蔵ワカメは、陸前高田市の広田湾漁協、大船渡市の綾里、吉浜両漁協を含め、10漁協が上場した。
 合計数量は、15㌔入りが2370ケース、35・6㌧。986ケース、14・8㌧だった昨年初回の2倍以上となった。
 同支所に設けられた会場では、開始時刻の午前8時30分から入札参加業者らが品定めを行い、真剣な目つきでワカメの色や実入りなどを確かめた。
 入札の結果、気仙の芯抜き1等の10㌔価格は、広田湾の広田・北浜、同・南浜、吉浜とも2万1399円で、昨年初回を2割ほど下回り、綾里は価格協議となった。全体では、野田村の2万3199円が最高値となった。
 漁協関係者や買い付け人らによると、近年続いた高海水温の影響で、これまでと比べて種付けや種巻きの時期が後ろ倒しになりつつあるという。
 それでも、今年は黒潮大蛇行終息の要因もあってか、ワカメの養殖漁業者からは「ワカメの成長に適した水温まで下がっている」との声も聞かれ、状況は良いとみられる。
 海の高温化により、近年は種付けや種巻きが遅れ、生育にも大きな影響を及ぼした。令和6年の入札会では、減産によって価格が高騰し、芯抜き1等の最高価格(10㌔当たり)が4万円台に迫るなど、異例の状況となった。
 7年は、大規模林野火災による被害が大きかった綾里地区では、加工機械を失った漁業者もおり、ボイル、塩蔵ができず生での出荷を余儀なくされるなど影響が及んだ。それでも、総数量は前年を240㌧上回り、価格変動も2万~3万円台で落ち着いた。
 会場を訪れた、国内の加工、販売、流通業者らで構成する三陸ワカメ買受人会の会長を務めるリアス海藻店=釜石市=の平野嘉隆代表取締役(54)は「種の巻き付けがやや遅れたが、海水温もワカメに適した温度に下がっていて、生育は順調。今年は良いものができるのではないか」と期待感を示し、「今後、実入りや色つやがさらに向上し、肉厚で三陸産らしいワカメになっていけば」と話していた。
 次回入札は26日(木)に予定。今季は、5月上旬まで入札日程が組まれる見込み。