大型の新年度予算可決 市議会3月定例会閉会 大規模林野火災関連30億円超
令和8年3月18日付 1面
大船渡市議会3月定例会は17日、最終本会議が開かれ、当局提案の新年度各種予算案や市総合計画後期基本計画など、議案35件を原案通り可決し、閉会した。一般会計は、現年度当初比41億1000万円(19・4%)増の253億円で、30億円超の大規模林野火災関連事業が盛り込まれたことで、令和以降の当初段階では最大規模となる。採決では、市内学校スポーツ施設の使用料で、議員賛否が分かれる場面もあった。(佐藤 壮)
議案のうち、12日と13日に議長を除く全議員で構成される予算特別委員会(渡辺徹委員長)で審議された令和8年度の一般会計予算と魚市場、介護保険(介護サービス)、同(保険事業勘定)、後期高齢者医療、市国民健康保険(事業勘定)、同(診療施設勘定)の各特別会計予算、下水道、水道事業の各事業会計予算は、いずれも全会一致で可決した。
一般会計と6特別会計の合計額は346億4283万円で、現年度当初比39億9315万円(13%)の増。一般会計は、大規模林野火災関連事業が盛り込まれたことで現年度を大幅に上回った。
大規模林野火災関連は17事業で約30億8300万円。このうち、激甚災害指定に伴う森林災害復旧費が27億7443万円を占めた。本年度は市有林のみでの伐採などにとどまっているが、新年度は私有林にも着手する。市有林と私有林を合わせ467㌶で伐採・搬出を進める。
歳出ではこのほか▽常備消防費(消防機器等整備分)6664万円▽同(消防車両関係)3740万円▽林野火災被災テレビ共同受信施設本復旧支援事業5836万円▽被災者住宅再建支援事業3000万円──などを盛り込んでいる。
新規・拡充事業のうち、子育て分野の「おおふなと子育て応援祝金支給事業」では、出生時に子どもの数にかかわらず祝い金として6万円分の大船渡地域商品券を贈るほか、小学校と中学校の入学時には1万円分を支給。妊婦健診ゼロ負担サポート事業では、妊婦健診時の追加検査などに要する自己負担相当額として、妊婦1人当たり5万円を補助する。
一方、廃止・縮減分野では、地域子育て支援事業を掲げ、現行の4カ所から立根町の市Y・Sセンター内を廃止することで3カ所に縮小する。
可決議案のうち、市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の利用者負担に関する条例の一部改正は、国の方針に基づき「こども誰でも通園制度」による受け入れを行う。親子のライフサイクルにかかわらず、保護者の一時的なリフレッシュや子どもが同年代の園児らと触れ合う機会の創出を図る。生後6カ月~2歳が対象で、1日1時間当たり300円の利用料を徴収する。現在、こども園3施設から事業導入の申請があるという。
新たに設ける閉校施設管理条例も可決。学校統合に伴い、学校として用途を終えた施設をスポーツ活動や文化芸術活動などで生かし、地域住民の活動や交流促進につなげる。旧末崎中、旧日頃市中、旧吉浜中の各屋内運動場とグラウンドを対象とし、使用料などを定めた。
議員の賛否が割れたのは、学校施設使用条例の一部改正。テニスコートのうち、令和5年度に完成し、砂入り人工芝の第一中学校は1時間ごとに1面300円とする内容。
これに対し、岡澤駿議員(清陵会)は、盛町の市民テニスコートの一般使用料が400円(高校生以下は300円)で、一般利用で差が生じる点を指摘。当局は、新年度からの中学校部活動の地域展開を見据えた対応と説明したほか、別議員の質問には、地域展開活動を担うクラブが優先的に利用できる対応をとる方針を示し、理解を求めた。
岡澤議員は討論にも立ち、公平性確保などの観点で反対の考えを示した。議長を除く出席18議員での採決では、賛成11、反対7で可決された。
追加議案では、市総合計画後期基本計画と市過疎地域持続的発展計画の両策定に加え、子ども・子育て支援金制度導入に伴う市税条例一部の改正を可決。同制度導入に伴い国保税の税率は改正されるが、被保険者の現行負担総額が増加しないように調整する。
7年度一般会計補正予算は歳入歳出に7212万円を追加し、総額264億3531万円とする。大規模林野火災の災害見舞金や企業版ふるさと納税による寄付を基金管理事業に回す。
8年度同補正予算は573万円の増で、総額は253億573万円。学校給食配送業務を受託していた事業者の廃業に伴い、この配送業務を新規に発注する必要が生じた。






