海を生かした地域創生へ 日本学術会議が公開シンポ
令和8年3月22日付 1面
日本学術会議の公開シンポジウム「産官学で推進する地域創生:ブルーカーボンがもたらす可能性」は21日、陸前高田市高田町の市コミュニティホールで開かれた。研究者らの講演とパネルディスカッションが行われ、海を生かした地域創生や脱炭素の実現に向け、市民と研究者らが考えを深めた。
シンポジウムは、同会議内の食料科学委員会・農学委員会の合同による「東日本大震災に係る食料問題分科会」などが主催し、60人余りが来場。地域創生やカーボンニュートラルをテーマとした第1部では、はじめに佐々木拓市長が基調講演を行った。
佐々木市長は東日本大震災からの15年を振り返り、漁業の不振が続いている現状を説明。川に回帰するサケの減少、海水温上昇による藻場の縮小や貝のへい死といった水産業の課題について、「先端的な産業」を創出して対応する必要性を強調した。
また、水産大手㈱ニッスイのグループ社が同市で行っているサーモン養殖事業を例に挙げ、新たな技術の導入や、自前の技術開発によって省人省力化を図る方策も提案した。
そのうえで、佐々木市長は気仙を含む三陸沿岸が海洋先端産業を創出する場となるよう目指す「ブルーテック三陸」構想を提唱。「県内では北上川流域を中心に産業振興が行われているが、海に目を向けて大学や企業と協力すれば、世界に誇れる場ができると考えている」と述べた。
その後は、海藻・海草が吸収してため込む炭素「ブルーカーボン」に関する講演や、産官学連携による地域創生についてのパネルディスカッションも行われた。来場者らはパネリストとともに、環境の激変を食い止めつつ、地域創生を図る方策について考えを深めていた。





