交流拠点 今月末で閉鎖へ 盛町「おはなしサロン」 NPO法人おはなしころりんが運営 11年余りの歴史に幕(別写真あり)
令和8年3月24日付 7面
大船渡市のNPO法人おはなしころりん(江刺由紀子理事長)が運営する盛町の「おはなしサロン」は、31日(火)をもって閉鎖する。平成27年に地域住民の交流拠点として開設し、本の閲覧や貸し出し、お茶っこ会などを通じて世代を超えた住民らに親しまれてきたが、活動資金の関係から幕を閉じることを決めた。閉鎖後の4月10日(金)から20日(月)にはサロンでイベント「11年間ありがとうフェス」を開き、利用者や地域に感謝の気持ちを伝える。(三浦佳恵)
おはなしころりんは、大船渡市立図書館による読み聞かせボランティア養成講座の受講者らで平成15年に任意団体として設立。地域の読書推進を目的に活動を進め、会員間では「将来的に住民交流の場となる私設図書室を設けたい」という思いがあったという。
こうした中、23年3月に東日本大震災が発生。避難所での読み聞かせ、見守り活動を兼ねた移動こども図書館の運営などを展開してきた。
そこで再度、〝子どもたちを元気にする交流の場〟の必要性が強まり、盛町内の空き店舗を活用して27年1月25日に「おはなしサロン」を開設。整備には、趣旨に賛同した盛岡市の「3・11絵本プロジェクトいわて」から支援金を受けた。
当初は、市内をはじめ陸前高田市、釜石市などから子どもたちや子育て世代が利用。絵本の貸し出し、読み聞かせ、子ども向けのイベントなどを行い、多い日には30人程度が訪れた。
おはなしころりんは28年にNPO法人化し、地域の復興支援活動にも従事してきた。一方で、令和2年に新型コロナウイルスが流行し、利用する子どもの数は減少。次第に〝お茶っこ〟を目的に訪れる、一般市民らの姿が多くなった。
コロナ禍や4年3月の地震被害による一時的な閉鎖を挟みながらも、サロンは住民らにとって〝なくてはならない場所〟として定着。毎週月・火・金・土曜日に開設し、住民交流の拠点としての役割を担ってきた。
しかし、近年は団体の主な活動資金となっていた震災復興支援の助成金制度が減少。活動に合致する助成金を見つけるのも容易ではなく、8年度に事業規模を縮小するのに伴い、サロンの閉鎖を決めた。
サロンには23日も常連たちが集まり、楽しく談笑。開設時から利用してきた猪川町の鈴木文男さん(81)は「お茶を飲みながらいろんな人と出会えて、日課としてここに来るのが楽しみだった。スタッフの皆さんには、11年頑張ってもらった。本当に寂しいが、最終日まで通いたい」と語った。
来月10日からの「ありがとうフェス」は、これまでの利用者や地域住民らに感謝の気持ちを直接伝えようと企画。時間は期間中の午前10時から午後3時までで、お茶っこ会とサロン内の備品などを格安で提供するバザーを行う。その後、4月末には部屋を引き渡すという。
江刺理事長は「居場所の一つとして必要性を感じているだけに、閉鎖は大変ふがいなく思っている。住民の方々の期待に応えられず申し訳ない。隣接する事務所は引き続き開設し、新年度からは移動こども図書館事業を中心に活動を進めていきたい」と話している。





