出没に備え万全期す ツキノワグマ 初の緊急銃猟訓練実施(別写真あり)
令和8年3月24日付 1面
住田町は23日、世田米の社会体育館とその周辺でツキノワグマの出没を想定した初の緊急銃猟訓練を行った。実際に緊急銃猟に対応するハンターや町など関係者が、交通規制や住民の安全確保、発砲体制などを確認。連携強化やクマ出没への対応力強化を図り、人里への出没に備えた。
クマによる被害増加を受けて昨年9月に改正鳥獣保護管理法が施行され、▽人の日常生活圏に侵入▽緊急な対応が必要▽銃猟以外では迅速な捕獲が困難▽住民らに危害が及ぶおそれがない──の四つの条件を満たした場合、市町村長の判断で特例的に市街地での猟銃の使用が可能となった。町でもこれを受け、緊急銃猟対応マニュアル策定や体制整備を進めてきた。
昨年、町内でのクマの目撃・出没は70件で過去最多となり、上有住では人身被害が発生したほか、飼い犬が襲われる事案や畜産飼料の被害も確認された。今年に入ってからは町にクマの目撃情報は寄せられていないが、今後は気温の上昇とともに活動が活発になってくることも予想されることから、体制強化のために訓練を企画した。
この日は、緊急銃猟時に出動する町鳥獣被害防止対策実施隊の隊員による「緊急銃猟班」、町林政課、警察、県から合わせて約20人が出席。社会体育館やその周辺を会場に机上訓練と実地訓練を行った。
訓練は、「クマらしき動物が世田米小学校方面に向かって気仙川を横断しているという通報があり、その後、同校に隣接する社会体育館裏にクマが侵入し、その場にとどまっている」──との想定で実施。
机上訓練では、対応マニュアルと航空写真などをもとに交通規制の範囲や発砲する方向などについて協議した。
実地訓練では、クマが日常生活圏に侵入し、学校に近く追い払いも困難なために緊急銃猟を選択し、指揮本部を設置。緊急銃猟班の班長が対応にあたる班員と使用する銃種を指定したうえで、発砲方向や住民の避難範囲、交通規制、関係機関への連絡、安全確保策を協議した。対応が固まったあとは、模擬銃を手にした射手が配置に就き、発砲と駆除の確認などを行った。
佐々木暁文林政課長は「初の訓練だったが、一通りの手順は確認できた。今後も研修や訓練を実施し、実行性を高めて万全を期したい」と話していた。





