大船渡港の国際フィーダーコンテナ輸送──初の定期2航路体制に 新たに仙台塩釜港を結ぶ週1便開設(別写真あり)
令和8年3月25日付 1面
大船渡市の大船渡港を経由し、国内各港につなぐ国際フィーダーコンテナ航路が新規に開設され、24日に貨物船が大船渡町の野々田埠頭に初寄港した。宮城県の仙台塩釜港などを結ぶ航路で、今後は週1回のペースで寄港。関東主要港とを結ぶ既存ルートと合わせ初の2航路体制となり、年々コンテナ貨物取扱量が増えている大船渡港のさらなる利便性向上や、港湾機能を生かした地域活性化への波及効果が期待される。(佐藤 壮)
歓迎セレモニーでは新航路開設を祝いテープカットも
同日の野々田埠頭には、第1便「まや─MAYA─」(749㌧)が接岸。大船渡港振興協会(会長・渕上清市長)による歓迎セレモニーには、運航を担う井本商運㈱(本社・兵庫県神戸市)や国、県、市の関係者ら約30人が出席した。
渕上市長は「戦略的かつ、発展性の高いネットワークの寄港地の一つに選ばれ、安定した荷役環境整備が評価されたと受け止めている。拠点港の一つとして役割を果たすためにも、引き続き環境整備を進める」、県大船渡土木センターの吉田健一所長は「さらなる利用拡大と地域経済の発展に寄与していただくためにも、安定的な運航を支えたい」とそれぞれ述べた。
全国で内航輸送を担う井本商運の森滋朗取締役は、コンテナ定期航路では同社として大船渡港を初めて利用することに触れ「改善していくところはあると思うが、定期サービスをやっていきたい。ご協力をお願いしたい」とあいさつ。花束・記念品贈呈やテープカットに続き、セレモニー後の埠頭内では、住宅建材が入ったコンテナ19本をハーバークレーンで船から降ろす作業が行われた。
市などによると、今月、仙台塩釜港とフィリピンなどを結ぶ週1便の新たな外貿コンテナ航路が就航。この開設は、既存のフィーダーコンテナ航路を利用し、大船渡港からの住宅建材輸入にかかわっている事業者の提案などを受けて実現したもので、積み替え輸送として大船渡港を含む新たなフィーダー航路が開設されることになった。
新航路は同港や仙台塩釜港のほか、小名浜港(福島県)や常陸那珂港(茨城県)、八戸港(青森県)にも寄港。大船渡港には当面、週1回寄港する。海外輸出入の機会やルートが増えることで、荷主による利用の促進や、スムーズな流通など利便性の向上が期待される。
同港ではこれまで、外貿船が多数寄港する関東主要港とを結ぶ国際フィーダーコンテナ定期航路は、オーシャンネットワークエクスプレス㈱が鈴与海運㈱と提携して運航する1航路のみだった。内航航路は「京浜港─大船渡港─仙台塩釜港─京浜港」で、大船渡港には毎週寄港し、京浜港で外航船に積み替え、各国に運ばれている。
野々田埠頭では平成19年からコンテナ貨物による輸出入が本格化したが、国際フィーダーコンテナ定期航路の複数運航は初めて。コンテナによる輸送では、首都圏で出た廃プラスチックなどを再生可能資源として太平洋セメント㈱大船渡工場に搬送する内航物流航路利用も定着している。
令和7年における同港コンテナ貨物取扱量(全量、空コンテナ含む)の速報値は、前年比32・6%増の7524TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個)で、過去最高となった。住宅建材などの輸入に加え、廃プラスチックなどの国内移入が伸びている中、港湾関係者は新航路開設を弾みとしたさらなる取り扱い増に期待が高まっている。






