3歳未満児の在宅育児者に月2万円 市内で働く保育士の奨学金返還補助 市が8年度から子育て支援策を強化 将来的な保育料無償化見据え

▲ 将来的な保育料無償化を視野に子育て支援策を強化する陸前高田市(資料)

 陸前高田市は令和8年度、新たな子育て支援策として、保育所などを利用せず、3歳未満児を在宅で育児している保護者に児童1人当たり月額2万円の支援金を支給する。市内の保育園で働く保育士の奨学金返還費用を支援する補助制度も新設し、人材の確保・定着を図る。市は今後の子どもの数や保育士の確保状況を注視しながら、9年度からの保育料完全無償化に向けて検討を進めていく。(高橋 信)

 

 支援金の対象は4月1日以降に市内に住んでおり、保育所・保育園などを利用していない生後8週間~3歳未満の子を持つ保護者。育児休業給付金、または育児休業手当金を受給していないことが条件となる。
 県が手がける支援金制度を活用。県事業は第2子以降を対象とし、市町村との協調補助額を月額1万円と定めているが、陸前高田市は第1子から受給でき、支給額も2万円に増やした。対象児や支援金の拡充分は、市が負担する。
 受給には申請が必要で、4月から市役所2階の子ども未来課窓口で受け付ける。支給は7月、11月、3月の年3回に分けて行い、4カ月分(8万円)を指定する口座に振り込む。
 奨学金返還支援は、▽奨学金を利用して保育士の資格を取得▽1日6時間以上、月20日以上勤務▽日本学生支援機構などから本人名義で奨学金を借りた──などの要件をすべて満たす人が利用できる。市内の保育園に勤務していれば、居住地は問わない。
 補助額は受給前年度に返還した奨学金の2分の1以内とし、最大で1カ月当たり1万2000円。補助期間は、合計で60カ月分としている。
 同市ではこれまで、市議会定例会の一般質問で複数の議員から保育料の完全無償化を求める声が上がっていたが、市は必要な保育士を確保できないことなどから踏み切れずにいた。
 8年度は県内他自治体よりも手厚い在宅育児支援金や保育士への支援を新たに実施し、将来的な無償化への布石としたい考え。乳児を持つ母親向けのデイサービス型産後ケア事業を開始し、住田町、大船渡市がすでに実施している医療的ケア児等在宅レスパイト事業にも乗り出す。
 市子ども未来課の阿部景子主幹は「各家庭が希望する子育ての形を市として応援し、保護者らの負担軽減につなげていきたい。奨学金支援制度を通じ、保育士の確保・定着にも努め、各種事業を推進することで保育料無償化へとつなげたい」と見据える。
 問い合わせは、同課子育て支援係(℡54・2111内線254)へ。