震災端緒の国際交流に光 陸前高田市が自治体表彰受賞 総務省など主催 米クレセントシティとの取り組み評価  

▲ クレセントシティ市からの訪問団を受け入れ、市内で交流した市民ら(昨年9月)

 陸前高田市は、米カリフォルニア州クレセントシティ市との国際交流の取り組みが評価され、第20回自治体国際交流表彰(総務大臣賞)を受賞した。海を挟んだ両市の縁は、15年前の東日本大震災を機に生まれた。自治体間だけでなく、市民同士のつながりも続いており、これまでの長く、活発な交流が実を結んだ。今回の受賞を弾みとしたさらなる友情の深化が期待される。(高橋 信)

 

 表彰は総務省、一般財団法人自治体国際化協会が主催。日本と海外の各自治体の創意工夫に富んだ交流活動を紹介し、自治体国際交流の活性化を図ろうと、平成18年度から実施している。第19回までに累計で55団体が表彰を受け、第20回には陸前高田市、茅ケ崎市(神奈川県)、湯河原町(同)が選出された。
 陸前高田、クレセントシティ両市の交流は、1隻の船から始まった。陸前高田市にある高田高の実習船「かもめ」が震災の津波で流され、約2年の漂流のすえに太平洋を渡ってたどり着いたのが、米西海岸にある港町クレセントシティ市だった。
 かもめは現地のデルノーテ高生徒らの協力で返還され、高田高とデルノーテ高は平成29年、国際姉妹校となり、両校の生徒の相互派遣が始まった。その後、市民交流にも裾野を広げる過程で、互いのまちが津波被害から繰り返し立ち上がってきた歴史を持つことが確認され、30年、姉妹都市協定を締結した。
 両市の有志団体を中心とした市民間の交流が特色の一つで、市民訪問団の派遣プログラムも行われている。産業面ではクレセントシティのビール工場で醸造を学んだ市内事業者がオリジナルのクラフトビールを販売するなど連携している。
 一連の交流活動や友好関係は、数多くある日米姉妹都市の模範となる事例として、令和7年9月に大阪府泉佐野市で開催された「日米姉妹都市サミット」でも紹介された。
 佐々木拓市長は「震災発生から15年というタイミングで表彰を受け、大変光栄に思う。当市が受賞したが、高田高生や市民によるこれまでの交流が実績として認められたというもの」と喜びを語った。

 

4月に市民訪問団派/陸前高田市

 

 陸前高田市は4月14日(火)から20日(月)まで、クレセントシティ市に市民訪問団を派遣する。派遣は6年ぶりで、佐々木拓市長らが訪れ、現地で開催される交流イベントに参加するほか、陸前高田市出身の米大リーガー佐々木朗希投手が所属するロサンゼルス・ドジャースの試合を観戦する。
 訪問団は高校生1人、中学生1人を含む20人。14日は、ドジャースのオーナーから招待を受け、同チーム本拠地ドジャースタジアムでメッツとの試合を観戦する。
 15日にクレセントシティ市入りし、18日には両市の友好関係発信などを目的としたイベント「カモメフェスティバル」に参加する。
 佐々木市長は「高校生同士の交流を持続可能なものにするため、高田高内に国際科を設置し、国際的な人材を育成するように発展できないか関係機関と検討していきたい。市民訪問団の派遣に関しては財政的な負担を考え、今後どのような形が一番いいか考えていきたい」と話した。