森林再生計画案を承認 大規模林野火災に伴う林地再生対策協議会 激甚災害指定に基づく事業費110億円超に
令和8年3月28日付 1面
大船渡市大規模林野火災に伴う市林地再生対策協議会(委員7人、会長・山岸健悦郎農林水産部長)が27日、市役所で開かれ、令和11年度までを期間とする森林再生計画案を協議し、原案通り承認した。国の激甚災害指定に基づく森林災害復旧事業は、10年度までに1200㌶超で被災木の伐採・搬出や跡地造林を計画し、事業費は110億円超に上る。私有林でも新年度から同事業が本格化する一方、昨年の意向調査で「希望しない」との回答者や未回答の所有者らに対し、今年秋ごろに再度の調査を実施する方針も示された。(佐藤 壮)
協議会は昨年11月以来の開催。委員は市や県、林野庁、県森林組合連合会、気仙地方森林組合の各関係者で構成し、この日は環境省や国立研究開発法人森林研究・整備機構森林整備センターなどからのオブザーバー参加や代理者も含め10人余りが出席した。
冒頭、山岸部長は「これまでの議論を踏まえ、具体的で実行性の高い施策につなげる重要な機会。本市の取り組みが、将来的に『いわて・大船渡モデル』として、先進的なものになるよう、関係者が一体となって取り組みたい」とあいさつ。議事は非公開で進められた。
配布資料や終了後の説明によると、この日示された森林再生計画案は、今月23日の市議会全員協議会で示した内容と同じ。市長決裁を経て、年度内の策定を計画している。
森林再生の柱となる森林災害復旧事業は、現段階で被災木の伐採・搬出が1248・7㌶、跡地造林が1279・2㌶で、期間は10年度まで。被災木の伐採・搬出、跡地造林などを行う。その後の下刈りも含め、森林所有者の負担はない。森林保険加入費用は、所有者の負担となる。作業路開設も含め、事業費は117億5772万円を見込む。
作業の効率化に向け、三陸町綾里の旧大船渡消防署綾里分遣所と同吉浜の旧吉浜中校庭、猪川町長洞の旧仮設住宅跡地に集積ポイントを設置。シカ食害防止に向け、獣道を残しながら小区画で防護柵を設ける「ブロックディフェンス」も導入する。
市は昨年9~10月に意向調査を実施。対象面積1709・37㌶に対し、回答は1469・63㌶。森林災害復旧事業を「希望する」と回答したのは、813筆(52・3%)で、面積は783・74㌶(53・3%)となった。市によると、希望者には事業に該当するかどうかを通知した。まとまった事業区域にならない場合などは、対象外になったという。
8年度予算では、森林災害復旧費として27億7443万円を計上。森林災害復旧事業の財源で、市有林における被害木の伐採・搬出は161㌶で約7億円、私有林は306㌶で約18億円となる。私有林所有者には新年度の早期から、境界確認などに入る見込み。
一方で「希望しない」との回答者や、未回答に対しては、秋ごろに意向調査を行う見通し。市は同事業だけでなく、私有林を対象とした森林整備事業やいわて環境の森整備事業でも、被災木の伐採・搬出、地ごしらえなどの跡地造林、下刈りも含め所有者負担がないよう支援する。
協議会は8年度も開催。今後は森林再生計画実施に伴う課題などの共有、森林育成ゾーンの区域に入った森林所有者・管理者への意向調査などに取り組む。境界確認作業に加え、私有林では森林復旧に関する協定締結なども調整する。
同計画では、災害復旧事業を含め、具体的に私有林での被害木伐採に着手する時期、場所は明示されていない。山岸部長は「今回は全体の復旧方針を明確に示すという思いで策定している。災害復旧事業に関し、私有林に着手するスケジュールは、新年度の秋口までに示すことができれば。必要に応じて計画に取り込んでいきたい」としている。






