災害備蓄品を増強 大規模林野火災の避難経験踏まえ 保存食2万7000食分に、表示板設置も

▲ 新たに缶入りの保存食1万8500食分を確保

 大船渡市は、昨年2月の大規模林野火災での災害応急対応の経験を踏まえ、災害備蓄品の充実を図っている。保存食は、カレーや雑炊、クラッカー計1万8500食分を増やし、大規模林野火災の避難指示対象に相当する4500人が2日間、3食をとる分を確保。指定避難所への表示板設置も順次進め、住民らのスムーズな避難行動を促す。(佐藤 壮)


 市当局は、昨年12月に可決された本年度一般会計補正予算に、防災関連事業として4114万円を計上。防災関連事業のうち、避難所環境整備では、長期保存可能な食料(25年保存)や水(15年保存)を確保。保存水は500㍉㍑のペットボトルで4800本、保存食は缶入りのカレーや雑炊、クラッカーなど1万8500食分を購入した。
 昨年2月26日発生の大規模林野火災では、降水量が少なく林野内の可燃物が乾燥していた状況下で、赤崎町・合足漁港付近の火点から局地的な強風やリアス海岸の複雑な地形も影響して延焼した。同日は合足地域と綾里地区全域のみが避難指示の対象だったが、27日には同町・蛸ノ浦地区、28日には同町・中赤崎地区、3月1日には三陸町越喜来の甫嶺地域にも広がった。
 避難対象は最終的に、1896世帯4596人に拡大。各地の公共施設に避難所が設けられ、ピークとなった3月6日には1249人が利用し、親戚宅などの滞在も同日で3000人を超えた。
 これまで、市内では1万食分程度を備蓄していたが、今回の増強で約2万7000食分の備蓄となる。約4500人が3食で利用する場合、2日分に当たる。現在は三陸町吉浜の旧吉浜中学校に保管し、今後順次、各防災倉庫などに搬送することにしている。

避難所となる地区公民館には表示板の設置も

 大規模林野火災では、全域の避難指示解除まで10日以上を要した。こうした経験を踏まえ、支援が届く2日程度をしのぐ分を確保することで、非常時の安全確保につなげる。
 津波注意報・警報時は、浸水想定区域に暮らす6000人超を対象に避難指示が出る。こうした場合でも、1日分以上は対応できる。
 資機材面では、パーティションテント410張を購入し、大規模林野火災時に借用した盛岡市に贈る。昨年同市から支援を受けたテントは、引き続き大船渡市内で活用する。
 パーティションテントは火災前は200張程度しかなかった。昨年6月に可決された補正予算を財源に400張を確保しており、今回の補正で計1000張の備蓄とし、数千人規模の避難に対応する。
 フロアマットは300枚を確保しており、一部は昨年支援を受けた野田村に届けられる。このほか、車いす20台や職員用ビブス110枚も確保。車いすは大規模林野火災で多くの住民が利用した避難所で必要となる場面があったという。ビブスは、支援・運営者が分かりやすくなることで、避難所内の利便性向上が期待される。
 市は、避難所となる施設に表示板を掲げる。現在、指定避難所は地区公民館や小中学校、地域公民館など92カ所で、福祉避難所は介護施設や障害者施設など27カ所となっている。
 地区本部となる13カ所には先行的に設置。残りは各施設の管理団体に配布する。