「震災復興を第一に」現場目線で 村上 聡さん(55)=大船渡市出身= 県沿岸広域振興局長に就任 

 大船渡市日頃市町出身の県職員・村上聡さん(55)は、今春の異動で古里の気仙をはじめ9市町村を管轄する県沿岸広域振興局局長に就任した。東日本大震災で被災した地域ではインフラ復旧後も人口減少や主要魚種の不漁など課題が山積し、大船渡市大規模林野火災への対応も求められている。「震災からの復興が第一。まだまだ課題はあると思うが、どんどん現場に出向き話を聞いて対応していきたい」と、〝現場主義〟を掲げて業務に臨んでいる。
 村上さんは、県立大船渡高校から福島大に進み、平成5年に県庁に採用された。
 東日本大震災発生後の平成23年度は県議会事務局に所属。毎月のように臨時会が開かれて震災対応予算について議論が交わされる中、事務方として対応に追われた。
 その後、27年度に秘書広報室広聴広報課の特命課長(情報発信)を務めた際には、震災支援の感謝を伝えるために知事とともに台湾を訪問したこともある。
 県職員生活のほとんどを本庁で過ごしてきたが、その中でも広聴広報課に多く配属された。「元々、広報に興味があった」と振り返る。13年度には1年間、首都圏のビールメーカーで研修。営業や広報、マーケティングの各部門で経験を積んだことも。
 そこで学んだのが、「相手のことを考える」「現場を大切にする」ということ。その学びは現在にも通じている。
 沿岸広域振興局においては、所管市町村と連携しながらの現場対応が重視される。本年度初めの訓示では、問題解決において「現場」「現物」「現実」の三つの「現」を重視する「三現主義」を職員たちにも説いた。
 小中学校、高校は野球部に所属。姉は大船渡高校野球部のマネジャーとして甲子園を経験しており、自身も高校時代は〝聖地〟を目指してひたすらに白球を追いかけた。
 現在は「見る専門」。同校の後輩にあたり、現在は米大リーグ・ドジャースで活躍する佐々木朗希投手も応援している。
 30年以上の県職員生活の中で、沿岸勤務は初めて。単身赴任で、盛岡には妻と次男が暮らしている。本庁勤務時代は、週末にドライブがてら、県内の昼食スポット探しを楽しんでいた。「こちらでも昼食を探したい。みちのく潮風トレイルも実際に歩いてみたい」と心躍らせる。
 古里では、旧友たちが復興やまちづくりへ奮闘している。「一緒になって沿岸地域を盛り上げていきたい」と力を込める。(清水辰彦)