住民の結びつき より強く 竹駒神社「初午式年大祭」 12年ぶり余興奉納

▲ 竹駒神社境内で大名行列を奉納する壺の沢祭組

 陸前高田市竹駒町に鎮座する竹駒神社(菅野哲彦宮司)の「初午式年大祭」は18日、同町内で挙行された。本祭りは12年ぶりの実施。大名行列を伴う神輿渡御や、地区内四つの祭組による余興奉納でまちを活気づけた大祭を通し、住民らが結びつきを強めた。(阿部仁志)

 

 地元の玉山金山にゆかりがあり、奈良時代の天平6(734)年に創建されたとされる同神社。式年大祭は、12年に1度の午年に本祭りを、中間年の子年に中祭り(七年祭)をそれぞれ挙行し、神輿渡御や余興奉納を行うのが習わしとなっている。
 東日本大震災後の平成26年本祭りは、余興奉納に7祭組が参加。中祭りの年にあたった令和2年は、コロナ禍の影響で神事のみ行った。今年は12年ぶりの本祭りとなり、大祭実行委員会(上部修一委員長)が中心となって準備を進めてきた。
 この日は、同神社で壺の沢、矢崎、坊寺・仲の沢、下沢の4祭組による余興奉納と祭典を行ったあと、大名行列メンバーを含む約150人が神輿渡御で神社を出発。壺の沢公民館や矢崎公民館、社務所前などを経由し、昨年設置された神社入り口の「表神狐像門」も通って、竹駒地区コミュニティセンター近くの御旅所に入った。
 御旅所では、各祭組が再び余興を奉納。1世紀余りの歴史を受け継ぐ装束をまとった約50人が風格を漂わせながら進む壺の沢の大名行列をはじめ、中学生による〝4頭目〟もお目見えし、アクロバティックな舞を披露した坊寺・仲の沢の「三頭虎舞」、きらびやかな衣装や活気に満ちた舞で〝運気〟を呼び込んだ矢崎の「七福神」、たおやかで美しい和服姿と息の合った所作が目を引いた下沢の「傘おどり」などに、訪れた観客から盛大な拍手が送られた。
 各祭組の芸能は、本祭りから中祭りまで6年間のブランクを挟みながら次世代に引き継がれる。今回は、前回の中祭りでの余興奉納が中止となったため、実質12年のブランクとなり、世代交代や少子高齢化といった地域課題もある中で、それぞれ引き継ぎに苦労した。
 こうした中、坊寺・仲の沢の大坂英人さん(55)は、今回初めて息子の敦也さん(19)とともに虎舞を披露。頭を持った敦也さんを肩に乗せ、躍動感ある虎の動きを表現した。
 虎舞が好きだった父の背中を見て育ち、自身も地元の祭りが大好きになったという英人さん。この日の奉納を楽しみにしていたといい、「高揚しすぎて、朝3時に起きた。いつか親子で参加したいと思っていたので、きょうは最高の気分」と笑顔を見せた。
 敦也さんは、小さい頃に才坊振りとして祭りに参加したことを思い返しながら「虎を導く側から、導かれる側になった。三頭虎舞だけでなく、各地区にこうした伝統があることをいろいろな人に知ってもらい、継承につながっていってほしい」と願った。
 会場では、大坂さんの長女のあゆみさん(25)と次女のひかりさん(18)も笛ばやしで参加し、きょうだいの思い出にした。あゆみさんは「時代とともに地域の形は変わっていくが、若い人がつなぐことで、竹駒のみんなが集まるこの空間を守っていきたい」と語り、ひかりさんも「祭りは地域の人たちが安心していられる場所。竹駒のコミュニティーがこれからもつながっていってほしい」と願っていた。
 上部委員長(81)は「6年前の中祭りは神事のみとなり、大変残念に思ったが、今回無事に大祭を行うことができて良かった。町民みんなの心に響き、古里への思いを強める祭りになったのではないか」と話していた。