10月に高田松原花火開催 地元中心の実行委が主催 昨春中止の三陸花火問題 実態調査も計画 未返金者の救済措置検討へ
令和8年4月22日付 7面
陸前高田市で10月中旬、高田松原花火(仮称)が開かれることとなった。同市では昨年5月、三陸花火大会が中止となり、観覧チケット購入者への未返金問題が今も解決していないままとみられる。新イベントは三陸花火の運営組織とは異なる市内有志らの実行委員会が主催し、地元の関係機関・団体と結束して持続可能な運営に当たる。実行委は市と連携しながら、今月中にも三陸花火のチケット代金未返金者への救済措置を検討するための実態調査に乗り出す。(高橋 信)
高田松原花火の開催は、21日に行われた市議会全員協議会で市が説明した。
実行委は、東日本大震災前の平成13年~22年に開かれていた「高田松原花火大会」(高田松原花火の会主催)と同様に、地元を中心とした有志らで構成。市、市観光物産協会、陸前高田商工会、高田まちなか会の4者が協力し、運営をバックアップする。
高田松原運動公園に全席有料の観覧席を設け、防潮堤側から花火を打ち上げる予定。日程などは後日、実行委が公表する。
三陸花火実行委の代表者が市に対して行った説明によると、三陸花火の未返金者は少なくとも1700組で、その金額は全体で約2500万円。しかし、市が再三求めた明細などの裏付けとなる詳細な資料は示されず、昨年9月ごろから代表者と一切連絡が取れなくなったという。
こうした状況を踏まえ、高田松原花火の実行委は、未返金者の再訪を促す手段を検討すべく、被害の実態を把握するための調査を実施することとした。市協力のもと今月中にも開始し、状況を精査したあと、新イベントで何かしらの救済措置を打ち出す構えだ。
また、実行委は定期的に、市をはじめ協力団体4者に組織の収支状況を報告する。三陸花火ではかけられていなかったとされるイベント賠償責任保険の契約も徹底する。
三陸花火の実行委は、令和2年秋のプレ大会を皮切りに、春に三陸花火大会、秋に三陸花火競技大会を開催してきた。三陸沿岸で最大規模を誇るイベントとして徐々に認知度が高まり、6年秋の9回目は1万5000発を超える花火を打ち上げ、来場者数は過去最多の約1万5000人(実行委調べ)に上った。
昨年5月の大会は第10回の節目だったが、実行委が4月下旬、資金不足を理由に中止を発表。ホテルの予約キャンセルが相次ぐなど各方面に影響が及び、大会に出店・出演する予定だった事業者や団体の受け皿となろうと、地元有志が急きょ「陸前高田 名前のないまつり」と銘打った代替イベントを催した。
実行委はチケット代金を全額返金する方針を示していたが、昨年8月、「返金に回す資金が手元に残っていない」として、購入者に返還期限の猶予を求めるメールを送っていた。進ちょく状況は同年9月末までに報告するとしていたが、少なくとも一部購入者に連絡していないことが判明し、その一人は東海新報社の取材に対し、「裏切られた気持ちでいっぱい」と不信感をあらわにした。
一度失ったまちの信頼を回復しようと、「陸前高田 名前のないまつり」の開催に動いた有志が、新たな花火イベントを定着させるべく市などと検討を進め、今年10月に実施することとなった。
市商工交流部の菅野洋部長は「陸前高田の信頼を取り戻しつつ、地元のみんなでつくりあげ、根付くようなイベントとしたい。市としても実行委と密に連携を取るなど、しっかり協力していく」と語る。






