春のクマ 警戒高まる 県が警報発表 陸前高田市 5月に訓練実施

▲ 出没が急増した昨年度、陸前高田市内で初めて実施された緊急銃猟の対応訓練。本年度は5月に行い、動きを確認し合う

 紫波町でツキノワグマによる人身被害が発生し、気仙でも警戒が高まっている。県は22日、「ツキノワグマの出没に関する警報」を発表し、県民への注意喚起を強化。令和7年度の目撃情報が前年度比2・3倍に急増した陸前高田市では、市街地での発砲が可能となる「緊急銃猟」の対応を確認する市主催の訓練が5月に実施される。
 紫波町では21日、行方不明者を捜索していた警察官がクマにかまれるなどして重傷を負った。現地では身元不明の女性の遺体が見つかり、クマに襲われた可能性がある。
 全県では1月から3月までの出没件数が197件に上り、過去5年間の同期平均と比較し、約6倍に増加。人里に近い場所での目撃が増え、人身被害も発生していることから、県は3月下旬に出した注意報を警報に切り替えた。
 陸前高田市によると、市内におけるクマ目撃情報は5年度37件、6年度26件、7年度60件。直近3カ年における人身被害はなかった。本年度は21日時点で情報は寄せられていない。
 7年度は9~11月の出没が42件と集中しており、6年度の9、10月ゼロ、11月3件から激増した。11月初旬には竹駒町の滝の里町内会館そばで、果樹に引き寄せられたとみられるクマがたびたび目撃され、市は同月下旬、同会館周辺で緊急銃猟の対応訓練を初めて実施した。
 本年度は5月に市内で行う計画。猟友会や警察などの関係機関とともに、緊急銃猟を実施する際の一連の手順を確かめる。
 市民からは放置されている果樹の伐採を促す対策実施を求める声が聞かれ、市は今年1月、伐採費を一部負担する補助制度を創設。伐採を市内業者に委託するのが条件で、伐採本数にかかわらず最大10万円を補助する。
 7年度の交付実績は2件計20万円。本年度も申し込みを受け付けている。新規事業としてクマ出没時にパトロールする市鳥獣被害対策実施隊に対して手当も支給する。
 市農林水産部の佐々木学部長は「市内では今のところ目撃情報がないが、県内で人身被害が発生しており、決して油断できない。情報発信の充実、クマを寄せ付けない予防対策の徹底、緊急時における初動対応の共有などを展開していきたい」と見据える。
 問い合わせは、市農林課林政係(℡54・2111内線473)へ。