生産規模 気仙最大へ ピーマン農家の小金山さん 「農福連携」で可能性広げる
令和8年4月26日付 7面
陸前高田市横田町の農家・小金山忍さん(42)は今年、自身の農場「Farm Koganeyama」(ファーム小金山)でのピーマンの生産規模を前年の約1・7倍に拡大する。作付面積は50㌃で、気仙で最大規模となる見込みだ。地元の福祉事業所などと協働する「農福連携」で繁忙期の人員確保という課題を克服し、個人経営の可能性を広げている。(阿部仁志)
同町出身の小金山さんは、4年前に就農。ファーム小金山では、小金山さんを含む従業員3人でピーマンやショウガ、トウモロコシなどを栽培している。
今年は、ピーマンの作付面積を前年の30㌃から50㌃に拡大。苗の定植数は前年比約2倍の最大8000株、収穫量は25㌧以上を目標に定めた。作付面積、定植数ともに、気仙3市町のピーマン圃場では最大・最多の規模になるという。
23日は、今年最初の苗定植日とし、畑の畝をビニールで覆うトンネル栽培用の農地10㌃に1300株を植えた。同市の就労継続支援B型事業所「朝日のあたるファーム」や、農福連携を推進する農業者団体「タカタアグリコンソーシアム」の関係者ら合わせて約20人も作業に加わり、3人では3日かかるとされる作業を1日で終わらせた。
JAおおふなとによると、1農家あたりのピーマンの定植規模は「従業員1人につき500株」が一つの目安という。一般的な基準を超えて農地拡大に踏み切ったファーム小金山の事例は、関係者からの注目を集める。
気仙のピーマン生産者でつくるJAおおふなとピーマン生産部会では、昨年度実績において作付面積が会設立以来最大となり、販売数量、金額も部会史上最高を記録。さらなる実績向上を目指す中、ファーム小金山の取り組みへの期待が高まる。
小金山さんは「定植作業に加え、収穫後の選別、出荷作業時の人手不足という従来の課題を農福連携で解決できるようになったので、規模拡大に踏み切ることができた。どこまでできるか、可能性を試したい」と、挑戦心をのぞかせる。
農地拡大を可能にした農福連携は、就労機会を探す福祉と労働力を欲する農業のマッチングを図る仕組み。米崎町のみらい創造財団朝日のあたる家(新田國夫代表理事)が連携を推進しており、小金山さんも就農後すぐ輪に加わった。
同財団が昨年開所した農業特化型福祉事業所の朝日のあたるファームでは、農地の規模拡大や生産効率向上を図る、同市ならではの特色ある取り組みを展開。現在、市内で廃棄される剪定枝や果樹、水産物、菌床などを原料にした安価で高品質な堆肥作りを進めており、堆肥を購入するファーム小金山においても農地の土壌改良で一役買った。
連携の追い風を受け、小金山さんはピーマンにとどまらず、ネギやナスなどの農地開拓に取り組み、生産を拡大していく予定。将来的には農業法人化を見据え、全国でも少数とされる年間売り上げ5000万円以上の〝スター農家〟の仲間入りも視野に入れる。
小金山さんは「栽培規模を拡大していけば、地域の就労機会創出にもつながる。これからが大変で、一筋縄ではいかないと思うが、協力してくださる従業員や農福連携関係の皆さんと一緒にがむしゃらに頑張っていきたい」と意気込む。






