8年ぶり まちに祭り絵巻 「盛町五年祭」にぎやかに 県文化財指定後初の挙行 伝統継承の思い強く きょうまで(別写真あり)

▲ 高さ10㍍超の館山車と手踊りが共演

 大船渡市盛町に鎮座する天照御祖神社(長谷川瑞彦宮司)の式年大祭は2日、町内で挙行された。令和4年の前回はコロナ禍で神事のみとしたが、今回は8年ぶりに行列や余興奉納が繰り広げられた。同5年に「盛町五年祭」として県無形民俗文化財の指定を受けてから初の大祭でもあり、各祭組の関係者は伝統継承や地域を守る思いを強く持ちながら、歴史と文化の誇りにあふれる祭り絵巻で来訪者を魅了した。3日も各祭組による余興の繰り出しが行われる。(佐藤 壮)

 

 同神社は、宝永6(1709)年に、まちの中心部にあたる現在の天神山公園に鎮座。以来、とら、うま、いぬ年の4年に1度の例大祭を式年大祭とし、五穀豊穣や商売繁盛、世の平和などを祈願する。今大祭に向けては奉賛会(甘竹勝郎会長)が中心となり、調整・協議を進めてきた。
 令和4年の前回は、新型コロナウイルスの影響で行列や余興奉納は見送られた。翌年には、県教委が「盛町五年祭」として無形民俗文化財に指定。旧仙台藩領域の気仙地方における祭りのあり方の特徴を示しているとし、継承の重要性が認められた。
 また、神座を載せた神馬を曲録唄を歌いながら引く曲録は、市の無形民俗文化財に指定。文政9(1826)年に仙台藩の足軽を招いて習得したと伝えられ、今年が200年の節目となる。
 文化面での関心が高まる中、歴史的な節目とコロナ禍を経た祭りとあって、町内各地域では人口減少をはじめとした課題を抱えながらも、住民らが力を合わせて準備を進めた。

曲録などが繰り出した行列

 神社本殿で宵宮祭が執り行われた1日夕方は激しい降雨に見舞われたが、2日午前は雲が強い風に流され、次第に青空が広がった。
 同日は約500人が300㍍ほどにわたって連なり、商店街通りを中心とした往復約4・5㌔の道のりで神輿渡御の行列が繰り広げられた。沿道には地域住民や帰省者が多く訪れ、伝統文化を今に伝える祭り絵巻を楽しんだ。
 各祭組のうち、木町祭組は、高さ10㍍超の館山車と踊りで活気を呼び込んだ。人形などを載せ、牡丹花を飾り付けた華やかな山車が練り歩き、さらに踊り手が息の合った舞を披露した。
 運行責任者の和田浩之さん(61)は「無事に館山車の柱を立てることができ、感無量。今後も続けていくことができれば」と話していた。
 この日は、本町祭組の太鼓などによる囃子屋台も運行。県内の町場における祭礼では山車、農漁村部の祭礼では芸能が供奉される中、盛町五年祭では人形山と芸能、さらに芸能を載せた囃子屋台という双方の要素を取り込んでいるのが地域的な特徴とされる。
 3日も盛町商店街を中心に余興の繰り出しが行われる。同日のみ山車運行や手踊り披露を予定している祭組もあり、2日とは違った華やかさを楽しめそうだ。商店街通りを中心に、午前8時~午後5時には車両の進入が制限される。