子どもたちも求めた「再検討」 県立高校再編計画案への意見聴取 県教委が結果公表 

 県教育委員会は、このほど策定した「第3期県立高等学校再編計画」の当初案公表時に実施した「子どもからの意見聴取結果」を公表している。県内の小学5年生から高校3年生を対象に行い、県立高校の将来などに対して7750件もの意見が集まった。このうち、気仙を含む沿岸南部地区における高校の将来に対しては、同計画で示された高田・海洋システム科と大船渡東・食物文化科の募集停止の方針を受け、「地元の高校はそのままで」「学びの集約は考え直してほしい」と子どもたちからも再検討を求める声が寄せられた。(三浦佳恵)

 

 同計画は令和8年度から17年度までの10年間を期間とし、県立高校を巡る現状と課題、同計画の方針、計画の前期(8~12年度)を中心とした具体的な再編プログラムをまとめた。
 気仙では、入学者数の減少、水産科や調理師免許を持つ家庭科の教員確保が困難であることなどを理由に、10年度に高田・海洋システムを、12年度に大船渡東・食物文化を募集停止とする方針を記載。海洋システムと食物文化の調理師養成施設を宮古水産に集約し、同科の家庭の学びは大船渡東・農芸科学科で維持するとした。
 計画の策定に当たっては、昨年8月に当初案、11月に修正案、今年2月に最終案を公表。地域代表者らによる地域検討会議や住民向けの意見交換会、パブリック・コメントを通じて県民の声を集めてきた。この一環で、当初案公表後の昨年8月6日~9月12日には、児童・生徒からの意見聴取も実施した。
 調査項目は、▽回答者が通っている学校▽高校について関心を持っているテーマ(13項目の中から三つまで選択)▽関心を持っているテーマへの意見──。特別支援学校、私立学校、高等専門学校を含む県内の学校に通う小学5年~高校3年の個人、またはグループでの希望者から回答を得た。意見数は、小学校2798件、中学校3328件、高校1624件。
 全体で特に意見が多かったのは、「通える高校の範囲」の1498件と、「高をより良くするための取り組み」の1377件。このうち、「通える高校の範囲」には、「家から近く、自転車で楽に通えるところがいい」(小学校)、「通学時間が短い方がいい」(中学校)、「通学の時間が長く、費用負担が重すぎる」「学区制をなくしてほしい」(高校)といった声が上がった。
 「高校をより良くするための取り組み」には、「いじめがなく、毎日みんなが楽しく安全にすごせる高校にしてほしい」(小学校)、「生徒の意見を聞く自由な校風の高校に通いたい」(中学校)、「ルールを生徒の意見を反映したものに改善してほしい」(高校)などがあり、高校生からは校舎やトイレの改善も求められた。
 「沿岸南部地区のこれからの県立高校の将来の姿」に寄せられた意見は215件。内訳は小学校37件、中学校128件、高校50件だった。
 内容をみると、「できるだけ近い高校に行きたい」「部活の種類を増やしてほしい」(小学校)、「学校数が減り将来が制限される」「校則の変更や制服の改善」(中学校)、「生徒数が目に見えて減っているのが心配」「沿岸と内陸の学力差をなくす取り組みが必要」(高校)といった要望、今後への懸念などが寄せられた。
 また、計画に盛り込まれた方針を受け、「高校は統合しないでほしい」(小学校)、「食物文化科がなくなるのをどうにかしてほしい」「海洋システム科はなくならないでほしい」(中学校)、「海洋/家庭科の廃止は地域産業の空洞化につながる」(高校)と再検討を求める声も目立った。
 しかし、策定された計画では方針の変更はなかった。県教委は意見に対し、「水産や調理などの専門的な勉強については、将来にわたって高いレベルで学び続けられる環境を守るために、学びの場所を宮古水産にまとめ、より力を入れて学べるようにしていく」などとして、理解を求めている。
 各項目に寄せられた意見数は別表。詳細は、県ホームページで公開している。