空き家の流通促進で連携 町とアルバリンクが協定締結

▲ 町とアルバリンクが空き家の流通促進に関する協定を締結

 住田町は7日、空き家の買い取り・活用事業を手がける㈱アルバリンク(本社・東京都、河田憲二代表取締役)と「空き家の流通促進に関する包括連携協定」を締結した。人口減少、少子高齢化に伴い町内でも管理の行き届かない空き家が増加し、地域の環境悪化が懸念される中、両者が連携しながら空き家の流通促進を図り、より安全・安心な地域の住環境構築を進めていく。(清水辰彦)


 協定締結式は町役場で行われ、神田謙一町長、小向正悟副町長や町職員、㈱アルバリンク広報アライアンス室長・官民連携統括責任者の原裕太郎さん、同室の徳前祐美さんが出席。神田町長と原さんが協定書へ署名を交わした。
 神田町長は「人口減少社会において、北東北3県は特に減少率が高い。その中でも当町含めて本県沿岸部は空き家が増加しており、課題解決のための施策は考えているが実行性が伴ってこない部分もある。相続の関係など、さまざまな課題があって空き家問題を解決しにくい状況」と現状を語ったうえで、「(協定は)心強く、ありがたく、うれしく感じている。空き家の有効化を図りながら、地域の住民にも安心感を与えられるよう取り組みを進めたい」とあいさつ。
 原さんは「一つでも多くの物件を次の利用者へつないでいければ。今後はチラシを使った啓発、相談会、セミナーの開催など、役場の皆さまと相談しながら、町のニーズに合わせた空き家対策を進めていきたい。この協定はゴールではなくスタート。一つでも多くの流通の形をつくっていくことが、住田町の安心な暮らしにつながっていくと思う」と述べた。
 全国的に空き家が増加する中、同町においては所有者が町内におらず、遠方に居住しているために管理が行き届かない空き家が増えており、倒壊の危険性が高まったり、野生鳥獣がすみ着くなど、治安・景観の悪化や防災上のリスクの上昇が問題となっている。協定を締結することで、所有者らの空き家に関する相談体制を拡充して解決へつなぎ、地域の生活環境の保全、安心安全な暮らしの実現を目指す。
 ㈱アルバリンクは、増加する空き家問題の解決に取り組む不動産会社で、空き家などの流動性の低い物件の買い取りと再販を中核事業としている。同社と住田町の協定締結は、県内では宮古市に続いて2例目、全国では44例目。
 連携施策として、建物の状態などによって空き家バンクへの掲載が困難な物件への対応や不動産・相続相談会の共催、納税通知書へのチラシ同封、空き家利活用・再生支援活動などを展開していく。空き家の調査や買い取り、法務など専門的な実務はアルバリンクが行うこととなり、行政のコストと業務負担の削減にもつながると期待される。
 町によると、令和7年度に行った調査で町内では163件の空き家が確認されており、地区別では世田米地区が92件、大股と上有住地区が各25件、下有住地区が13件、五葉地区が8件となっている。
 町ではこれまで、空き家を地域活性化のための用途で活用する場合に改修工事費用の一部を補助する「町空家等対策促進事業補助金」の交付など、適切な管理の支援、地域資源としての活用を図ってきたほか、管理不全空家等、特定空家等としての指定や助言、指導、勧告措置も実施。協定締結により、対策のさらなる充実が期待される。