森林病害虫被害木クリーン補助金──7年度は想定上回る29件 松くい虫やナラ枯れの木防止処理支援

▲ 補助事業を生かして行われたマツの伐採作業(昨年6月、末崎町)

 松くい虫やナラ枯れの被害などによる倒木防止に向け、大船渡市は本年度も「森林病害虫被害木クリーン事業費補助金」の申請を受け付ける。令和7年度の採択実績は想定を上回る29件に上り、市は補正予算を計上するなどして対応。本年度は前年度よりも多い予算額を確保した。倒木が懸念される木は地域を問わず住宅や道路沿いにも散見され、市は補助を生かした安全確保に期待を込める。(佐藤 壮)

 

上限50万円、本年度は予算増


 この事業は伐倒や駆除費用の一部を助成し、市民生活の安全確保につなげるとともに、病害虫被害のまん延防止を図るもの。既存の国県補助事業の対象外地域である市街地等の被害木や枯死経過木は、倒木による人身被害等が懸念される。
 松くい虫やナラ枯れはいずれも、市内では被害確認から歳月が経過。市内各地の山林では、新緑の中に枯れた状態で茶褐色の木が点在し、手つかずのまま倒木の危険性が高まっている本数の増加が予想される。
 道路沿いなどで危険な状態が確認された場合は、行政機関から連絡が寄せられることもある。電線や家屋が近く特殊伐採を行う際には高額の費用が見込まれ、対応に苦慮している所有者も見られる。
 支援策を求める声が増えていた中、市は森林環境譲与税を財源とし、令和6年度に事業を創設。昨年1月から申請を受け付けている。
 対象は、市内に被害木や枯死経過木を所有する個人、団体。助成経費は▽松くい虫、ナラ枯れ被害木の伐倒くん蒸、破砕処理の経費▽松くい虫、ナラ枯れ被害による枯死経過木の伐倒、整理に要する経費──となる。
 伐採などへの助成額は、経費の2分の1で、50万円が限度。市農林課で申請を受け付けている。
 同課によると、6年度中は6件を採択。7年度は個人や団体などから申請があった29件を採択し、補助額は631万円となった。当初予算では400万円を計上していたが、申請が多い状況を受け、補正予算を計上。8年度予算では700万円を確保している。
 助成を利用した市民からは「木を処分するきっかけになった」「以前から伐採を考えていたが予算を超える費用の見込みだったので、補助は助かった」といった声が聞かれる。本年度もすでに、申請に関する相談が寄せられているという。
 市農林課の新沼裕一課長は「被害や病害虫の広がりに歯止めをかけるためにも、活用を検討してもらいたい。昨年の実績を踏まえ、予算も確保している」と話す。
 申請時に必要な申請書や収支予算書などの様式は、市ホームページからダウンロードできる。このほかに、実施区域が簡易的に分かる図面や位置図、経費に関する見積書(コピー)、内訳書、被害木の写真も必要。申請前に作業している場合は対象外となる。
 森林病害虫クリーン事業の申請などに関する問い合わせは、同課(℡27・3111)へ。