ナフサ不足 気仙でも影響広がる 陸前高田市=指定ごみ袋の色変更 建設業=資材入手困難で不安の声
令和8年5月16日付 1面
中東情勢の緊迫化に伴う原油由来のナフサ不足の影響が、気仙でも広がっている。陸前高田市では、メーカーが市指定ごみ袋(ロールタイプ)の製造原料変更を余儀なくされたことを背景として、従来と異なる色合いの袋が出回り始めた。建設業界では建築資材の入手が困難となり、工期の遅れなどを懸念する声が上がっている。建設関係者は「民間ではどうにもできない非常事態。先行きが見通せず、お手上げだ」と頭を抱える。(高橋 信)
陸前高田市によると、市指定のごみ袋を製造しているメーカー1社が、ごみ袋の安定供給を維持するため、製造過程で発生する端材(再生原料)を原料に配合して作る対応に切り替えたという。これにより本来の無色透明から若干暗めに色合いが変わったごみ袋が、4月中旬ごろから市内で販売されるようになった。
ごみ袋は可燃・不燃ごみ用のロールタイプで、容量は20㍑相当と40㍑相当の2種類。価格、大きさ、強度は変わらず、中身も見える。当面は色合いが異なった袋が製造されるとみられる。市民からの問い合わせは現時点でなく、混乱は生じていないという。
全国の自治体では、ナフサ不足による市指定ごみ袋の品薄や指定の袋以外を受け入れる動きが出始めた。県内でも可燃物に限り、透明、または半透明の袋の代用を可能とする自治体がある。
市まちづくり推進課の小野勝彦課長補佐は「新型コロナウイルス禍の際、工場が稼働できない期間があったためごみ袋が品薄となることは市内でもあったが、原料不足に伴う今回のような対応は記憶の限りで初めて」と驚く。
そのうえで「他自治体ではごみ袋に関するさまざまな対応が見られ始めた。市内における状況を今後も注視していきたい」と話している。
ナフサの供給不安は、建設業界にも影を落とす。
「資材の大幅な値上げの影響を受けていた中での事態。資材がなければ仕事がしたくてもできない」。陸前高田市の㈱吉田建設の吉田光伸代表取締役は、そう窮状を説明する。
同社の強みである住宅リフォーム工事は、肝心の断熱材の仕入れが不安定となり、資材確保に奔走しながら乗り切る状況が続く。住宅分野では断熱材のほかに、塩ビ配管、塗料といった主要建材に加え、防水材など関連資材にも影響が広がっているといい、吉田代表取締役は「さまざまな業者が大変な状況。このまま続けば本当に死活問題になる。不安でならない」と案じる。
県中小企業家同友会(会員510人)は4月、中東情勢緊迫化に関する影響調査(121人回答)を実施。それによると、「すでに影響が出ている」「現時点では影響はないが、今後は可能性がある」と回答したのは全体の95・8%を占め、ほとんどの企業が経営上のリスクを抱えていることが分かった。
同会岩手リアス支部役員を務める吉田代表取締役は「国や県、市などになんとか支援策を検討していただきたい」と訴えている。






