養殖サーモン 今季初水揚げ 水産大手㈱ニッスイグループ社 初日は2㌧、広田漁港で
令和8年5月19日付 2面
水産大手㈱ニッスイ(本社・東京都)のグループ社が陸前高田市で海面養殖しているサーモンの今季の水揚げは、18日に始まった。2年間の試験養殖を経て、昨年11月、本格的に事業化したもので、今季はギンザケ1魚種を扱い、初日は約2㌧を水揚げした。水揚げ作業は6月末までを予定し、数量は約300㌧を見込む。来季は今季から3倍以上の1000㌧超を計画する。(高橋 信)
水揚げ作業は広田町の広田漁港で行われた。岸壁沿いのいけすからたも網ですくわれた重さ2㌔前後のギンザケは自動のベルトコンベヤーで運ばれ、作業員が重さ別に仕分けた後、氷水をためたコンテナに手際よく入れた。
養殖事業は㈱ニッスイサーモン(旧弓ヶ浜水産㈱、本社・鳥取県境港市)が手がけ、同漁港そばの洋上に設置している直径25㍍の海面いけす2基でギンザケを育てている。成育は順調といい、海面いけすから同漁港まで順次運び、6月末まで水揚げする。
ニッスイは令和5年11月、広田湾漁協と共同でサーモンの試験養殖を開始。育てながら周辺の海洋環境や他の漁業活動への影響がないか調査してきた。
1季目は6年6月に水揚げし、数量はギンザケ178㌧。2季目は新たにトラウトサーモンを加え、昨年5〜7月にギンザケ139㌧、トラウトサーモン83㌧の計222㌧を水揚げした。その後、区画漁業権の免許を取得し、ニッスイサーモンによる本格的な養殖事業に移行した。
同社は段階的な増産を構想し、来季は1000~1300㌧程度、令和12年時点で2000~2500㌧程度の生産を目指す。海面いけすは既存の直径25㍍から国内最大級の直径50㍍の5基に換える計画で、今夏にも導入される。
ニッスイは昨年、気仙川沿いにある矢作町の広田湾漁協所有のサケ・マスふ化施設を一部改修し、新たなサーモン種苗生産施設「ニッスイ気仙川養魚場」を整備。施設で生産した種苗は毎年11月ごろに広田の海面漁場に運び、翌年の夏まで育てて、水揚げするというサイクルを繰り返す。
ニッスイは昨年11月、大船渡市でも越喜来漁協と共同でサーモンの試験養殖に乗り出した。先行して事業化している大槌町の漁場と合わせ、同社は本県生産拠点3カ所における12年時点の年間水揚げ量として、7000㌧を目指す。
ニッスイサーモンの担当者は「初日を迎えられてほっとしている。スモールスタートではあるが、計画通り水揚げを進められるよう現場の皆さんと協力し合いたい。来季以降も見据えながら良いサーモンの生産を目指していく」と力を込めた。






